高橋聡文に小林正人や中継ぎ左腕が多く活躍した中日のドラフト下位指名組
中日ドラゴンズの山本拓実(市西宮出身・2017年6位)
ペナントレースも残り40試合を切った。優勝争い、順位争いだけでなく個人タイトル争いにも注目が集まってくる。
セ・リーグの打率ランキングを見ると佐野恵太(DeNA)がトップを走り、村上宗隆(ヤクルト)らと争っている。その佐野は2016年ドラフト9位という下位指名だった。アマチュア時代の低評価を覆し、プロの世界でタイトルを獲得できるか注目が集まっている。
さてこんな佐野のように、ドラフト下位指名から躍進を遂げた選手は多くいる。各球団(前身球団含む)のドラフト下位指名(6位以下/育成を含む)から、想像以上の成績を残した選手を振り返ってみたい。
中日のドラフト下位指名選手を振り返ってみると投手の活躍者が多い。
現役では山井大介(河合楽器/2001年6巡目)がそうだ。2001年入団のプロ18年目となる山井は、投手としては球界最年長となった。2桁勝利は2014年の一度だけではあるが、2012年には15セーブ、13ホールドを記録するなど中継ぎとしてもプレー。様々な役割を経ながら、息の長い活躍を見せている。
まだ若く一軍での実績はないが、山本拓実(市西宮高/2017年6位)も下位指名から先発ローテーション入を期待されている。
その他では高橋聡文(高岡第一高/2001年8巡目)、小林正人(東海大/2002年6巡目)、石井裕也(三菱重工横浜/2004年6巡目)と3人の中継ぎ左腕もドラフト下位指名での入団だった。すでに3人とも現役を引退しているが、高橋は532試合、小林は293試合、石井は330試合の登板数(移籍後含む)を誇っている。
また、堂上直倫の父としても知られている堂上照(電電北陸/1970年6位)も下位指名だった。堂上照は先発、中継ぎと両役割をこなし320試合に登板しており、1978年にはオールスターゲームにも出場している。
一方の野手では近年の活躍者はほとんどいない。井領雅貴(JX-ENEOS/2014年6位)が目立つのみ。過去には島谷金二(四国電力/1968年9位)、種田仁(上宮高/1989年6位)、清水雅治(三菱自動車川崎/1988年6位)、大西崇之(ヤオハンジャパン/1994年6位)といった名前が見られるが、2000年代に入ってからは苦しい状況が続いている。
このように現在のチームでは、ドラフト下位指名からのブレイクはほとんどいないのである。こらかれ先、ひとりでも多くアマチュア時代の評判を覆す選手が出現することに期待したい。
【中日ドラフト6位以下の主な選手】
※前身球団含む
※育成指名含む
島谷金二(四国電力/1968年9位)
堂上照(電電北陸/1970年6位)
清水雅治(三菱自動車川崎/1988年6位)
種田仁(上宮高/1989年6位)
大西崇之(ヤオハンジャパン/1994年6位)
山井大介(河合楽器/2001年6巡目)
高橋聡文(高岡第一高/2001年8巡目)
小林正人(東海大/2002年6巡目)
石井裕也(三菱重工横浜/2004年6巡目)
井領雅貴(JX-ENEOS/2014年6位)
山本拓実(市西宮高/2017年6位)
(記事=勝田聡)