超高校級投手から打撃投手に転身した3投手たち
高校時代の大塚 尚仁(九州学院出身)
プロ野球の打撃投手は例外なく高校野球を経験して、なおかつプロ野球選手だった選手もいる。今回は超高校級の投手として騒がれ、そして今は打撃投手としてチームを支える投手を紹介したい。
小嶋達也(遊学館-大阪ガス-阪神)
高校時代、2001年に創部された遊学館に入部し、創部2年目の2002年夏に甲子園出場し、いきなり甲子園ベスト8。約2003年春にも甲子園に出場し、ドラフト上位に入る程の実力を持っていたが、大阪ガスへ。そして2006年希望枠で阪神に入団。阪神では2011年に36試合に登板するなど、通算64試合で4勝9敗5ホールドを記録。2016年に現役引退し、打撃投手としてチームに携わっている。
西川健太郎(星稜-中日)
高校時代、石川県で釜田佳直(石川金沢-東北楽天)とともに騒がれた本格派右腕。最速147キロの速球、切れのある変化球を投げ分け、完成度の高い投球フォームに大きな将来性を感じさせ、2011年の中日ドラゴンズから2位指名を受け、プロ1年目から3試合に登板するなど、将来のエース候補として期待され、プロ2年目はプロ初勝利を含む12試合に登板を果たしたが、その後は二軍暮らしが続き、2016年現役引退。引退後は打撃投手としてチームを支えている。
大塚 尚仁(九州学院-東北楽天-巨人打撃投手)
高校時代は溝脇隼人(中日)とともに3度の甲子園を経験。2年選抜に甲子園デビューし、そして3年春のセンバツでは女満別戦で完封勝利を上げ、2回戦の大阪桐蔭戦では5回まで無失点の好投を見せた。その後、逆転を許したが、全国で着実に実績を残していた。そして3年夏には常時140キロ前後までスピードアップし、高校日本代表に選出。世界大会でも好投を見せるなど超高校級左腕として評価を高めていった。そして2012年のドラフトで東北楽天から3位指名を受けたが、プロでは通算9試合登板に終わり、2017年オフから巨人の打撃投手に転身した。独特のキャラクターは首脳陣、選手、スタッフからも愛される存在となっている。
超高校級として騒がれた投手はいわゆる「主役」の立場。そこから「脇役」に徹し、しっかりとチームを支えている。その姿に感慨深いと感じる高校野球ファンも多いのではないだろうか。
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