Interview

強豪チームを渡り歩いてきた廣瀬智也(桐生第一)が主砲を担うようになるまで【前編】

2020.07.01

 群馬屈指の強豪・桐生第一。昨秋はライバル・前橋育英を破って関東大会出場。関東大会でも桐光学園を破ってベスト4進出。見事選抜への切符をつかみ取った。

 その原動力となり、チームをまとめるのが廣瀬智也だ。パワフルなスイングが最大の魅力なる大型三塁手の廣瀬。関東大会では打率.333で2打点と4番の活躍を見せ、選抜出場に貢献した。そんな廣瀬が歩んできた野球道に迫る。

全国の舞台を経験した中学時代

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廣瀬智也

 廣瀬は中学時代、埼玉にある名門・浦和シニアでプレーをしていた。浦和シニアといえば現在、福岡ソフトバンクホークスで奮闘する上林誠知仙台育英出身)をはじめ、浦和学院で甲子園8強を経験した中前祐也(現中央大)。そして同級生には花咲徳栄でプレーする中井大我など実力者が揃う。

 その中で廣瀬は4番としてチームの主軸を担い、日本リトルシニア全国選抜野球大会ではベスト16。さらにジャイアンツカップではベスト4進出と、チームの躍進に大きく貢献した。

 その後、桐生第一の門を叩くことを決意したが、その経緯をこのように語る。
 「小学5年生の時に少年野球チームで甲子園まで観戦に行ったときに、桐生第一が出場していました。その時に『桐生第一は凄いな』と思ったんです。また、少年野球のコーチが桐生第一のOBで、中学の時も桐生第一から声をかけてもらったので、進学を決心しました」

 桐生第一へ入学した廣瀬は先輩たちの背中を見て、「強豪校だな」と改めて感じつつも、自分たちの代では甲子園に出場することを目指し、練習を積み重ねた。そして2年生へ進級をした時に転機が訪れた。

 廣瀬は試合に起用されて結果を残すと、その年の夏の大会では4番に座り、チームを中軸へ。チームは準決勝でライバル・前橋育英の前に敗れたが、大会を通じて自信を深めることが出来た。
 「正直、最初はあまり活躍できるイメージは湧かなかったのですが。試合を重ねていくうちに自分の中で『いけるな』と思えるようになってきました」

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徹底力で掴んだ選抜の舞台

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関東大会での廣瀬智也

 

 新チームがスタートすると、廣瀬は主将に抜擢される。廣瀬は「自分が選ばれて、責任感が宿ってきた」とキャプテンとしての重責を感じながらチームを牽引。仲間たちともに練習に打ち込んでいった。

 チームは秋の県大会を見事優勝。関東大会でも初戦の桐光学園戦で10対4と快勝。準決勝の山梨学院にはあと一歩及ばなかったが、選抜出場をほぼ確実とした。

 この勝ち上がりを廣瀬は主将の立場から振り返ると、2つの要素が関東大会ベスト4に関わっていた。
 「今年のチームはチーム全体に力がなかった分、1人1人が全力を出し切ることは言っていました。そして言われたことを徹底してやれたのが一番大きかったと思います。
 バントをする選手はきっちり決める。チャンスでランナーを返すのであれば、しっかり打つという風に、『1人1人の役割をしっかりやっていこう』と言うことは話していたのが、一番だと思います」

 冬場は全国レベルで戦うための体力を作るために、食事の量や質を見直し改善。体重を増やしつつ、監督や部長先生から指導されてきた「人間的な成長をしていこう」と言うことを念頭において過ごしてきた。

 廣瀬は選抜で活躍することを心の支えに冬場の練習に取り組んできた。その成果もあり、「体重が増えたので、打球の速度や飛距離は伸びました」と成長の手ごたえを確かに感じていた。

 今回はここまで!次回は春以降の廣瀬の過ごし方にフォーカスしていきます。そして最後には交流試合への意気込みも語っていただきました。次回もお楽しみに!

(取材=栗崎 祐太朗/文=田中 裕毅

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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