154キロ計測の奥川恭伸、初登板初勝利の西純矢ら高卒新人投手8人がデビュー
左から、中田唯斗、奥川恭伸、宮城大弥、西純矢
6月19日の開幕から10日が過ぎたプロ野球。早くも各球団の今季の戦い方が見えてきた。そんな中、横浜DeNAの坂本裕哉は球団初の大卒左腕初登板初先発初勝利を挙げ、千葉ロッテの佐藤都志也が初安打となるサヨナラ打を放つなど、新人選手の台頭も目立つ。一軍では大卒や社会人から入団した選手の活躍が見られるが、高卒選手たちはどうだろうか。そこで今回は、ファームでデビューを果たした高卒投手8人を見ていきたいと思う。
奥川恭伸、西純矢、宮城大弥らドラ1投手3人が初登板飾る
6月28日終了時点でファーム登板を果たした高卒ルーキーは8人。昨年の高校野球を沸かせた奥川恭伸(星稜)、宮城大弥(興南)、西純矢(創志学園)ら、ドラフト1位選手たちがデビューを飾っている。中でも大きな話題となったのが奥川だ。
6月20日、東京ヤクルトの先発マウンドに上がったのが奥川だった。ファームとは言え、高卒ルーキーが開幕投手に抜擢されたのだから、その期待度の高さがうかがえる。結果は1回を投げ三者凡退、2奪三振と完璧なものだった。
初球でいきなり自己最速タイの154キロを計測するなど、大器の片鱗を見せつけた。ちなみに、「平成の怪物」こと松坂大輔は、高卒1年目のデビュー戦で155キロを計測している。その松坂には1キロ及ばなかったものの、松坂と比較できるだけのルーキーの出現に、胸が高鳴るというものだ。
阪神のドラ1・西は、本拠地甲子園の試合に登板。4回からマウンドに上がると、最速150キロの速球を武器に3回を無失点。被安打3、与四球1だったが、3三振を奪い勝利投手となるなど上々のデビューを飾った。
25日の阪神戦に先発した宮城は、自己最速を更新する153キロを計測。高校時代の最速149キロから今年4月の練習試合で計測した150キロ、そして今回の153キロと、球速から成長の様子を伺える。2回までは無失点に抑えたが、3回にタイムリーを浴びて2失点。この日は3回を投げて4安打2失点、4奪三振だった。
3人はいずれも上記グラフの右下に位置しており、奪三振率が与四球率を上回っている。まだまだ少ない投球回数ではあるが、まずはシーズン終了時までこの水準をキープしていきたいところだ。
この3人を差し置いて、登板数、投球回数でトップとなっているのがオリックス育成3位の中田惟斗(大阪桐蔭)だ。いずれも中継ぎで、既に3試合に登板し、4回無失点、被安打0の好投を見せている。奪三振も0となっているが、投球回数が増えれば自然と増えるだろう。
この4人の他にも前佑囲斗(津田学園)、浅田将汰(有明)ら侍ジャパンU-18組や、最速153キロ左腕・及川雅貴(横浜)など錚々たるメンツが並ぶ。さらに、189cmの長身育成左腕・佐藤一磨も早々にデビューを果たした。まだ成績が振るわない投手もいるが、ここからの半年間でどれほどの成長を見せてくれるだろうか。
データ協力: やきうのおじさん(@yakuunoojisan)
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(記事=林 龍也)
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