News

田中英祐(元千葉ロッテ)の母校・白陵(兵庫)がSNS運用する理由

2020.06.29

田中英祐(元千葉ロッテ)の母校・白陵(兵庫)がSNS運用する理由 | 高校野球ドットコム
白陵の練習模様 写真は2016年から

 近年、高校野球でもSNSアカウントを立ち上げる高校が多くなった。京大からプロ入りした田中英祐投手(元千葉ロッテ)の母校でもある白陵もその中の1つだ。

 TwitterアカウントをはじめとしたSNS運用は今年からチームの指揮を取る小川裕人監督が行っている。なぜSNSの運用を始めたのか、それは自身の実体験からくるものだった。

 「私は白陵OBなのですが、都内の小学校の教員として、東京にいた時に母校の情報を知ることができたのは、夏の大会の速報による大会結果くらいでした。そこについてはやはり『寂しさ』というものを感じていました」

 こうした感想は小川監督だけのものではないだろう。そこで白陵に戻った小川監督はSNSを活用することを決意したのだ。

 もちろん運用・管理方法について不安がある。少しずつSNS運用を始めるチームが増えているとはいえ、他の業界と比べれば、非常に少ない。それでも活用して3年が経ち、メリットは不安を上回るものがあった。
 「まずOBからも『現在の活動がわかるので嬉しい』『応援に行きたくなった』という声を多くいただくようになりました。また投稿をきっかけに、練習と試合を見に来てくださる方も増えてきています」

 小川監督も自身と近い年代の先輩や後輩との会話でも、チームの活動状況について話し合えるなどOB同士のつながりが強くなった。小川監督が考えていた本来の狙いが上手くいった形になる。

 OB同士のつながりだけではなく、他校からも投稿を閲覧、参考にしている声も増えてきた。
 兵庫県は7月に独自大会が開催されるが、練習試合の調整が出来ず困っていたところ、Twitterを通じて連絡を取り合い、何とか決めることが出来たとのこと。

 白陵はTwitter以外にも、Facebookアカウント、Instagramアカウントも立ち上げている。FacebookはOBを対象にした中年世代、Instagramは現役の中高生へ向けて投稿と、それぞれのSNSの主な年齢層をターゲットにした施策も行っている。

 もちろん個人情報に関わる部分があるので、投稿については情報リテラシー、モラルなど理解し、その上で野球部側が判断できない場合は学校側と相談し、運用していく方針だ。

 注意すべき点もあるが、上手く活用が出来ればチームには大きなプラスをもたらしている。それは白陵に限らず、今回の事態を受けて多くのチームが感じたことだ。運用する目的はチームそれぞれだが、白陵のようにSNSとうまく付き合っていくことも今後は必要になってくるのではないだろうか。

(記事=田中 裕毅

関連記事
山本由伸(都城出身)が世代のトップランナーに、高卒4年目の現在地
巨人から久々に誕生した高卒の本格派右腕・戸郷翔征(聖心ウルスラ学園出身)
巨人・戸郷が注目株!宮崎県出身の中位・下位指名からの活躍選手を振り返る

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.14

【2024夏全国ノーシード校一覧】二松学舎大附、履正社、智辯学園、沖縄尚学などビッグネームがノーシードで夏に挑む

2024.05.14

広島「今季新戦力の現状通信簿」、新外国人の復活はなるか!?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?