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『最後までやり切る』ことをキーワードに。Zoomを駆使して自粛期間を過ごした三刀屋(島根)はバッテリーを軸に最後の夏へ挑む

2020.06.04

『最後までやり切る』ことをキーワードに。Zoomを駆使して自粛期間を過ごした三刀屋(島根)はバッテリーを軸に最後の夏へ挑む | 高校野球ドットコム
三刀屋野球部 ※写真提供=三刀屋野球部

 高校野球をやり切った、という1つの節目をどうするか。この問題を考えているチームは多い。それは指導者たちが3年間見てきたからこそ、「最後までやり切って高校野球から卒業させてあげたい」という強い想いがあるからだ。島根県にある三刀屋高校も同じ気持ちで日々を過ごしている。

 学校は5月中は分散登校で徐々に始まっており、最終週から1時間の制限の中で部活動も始まっていた。自粛期間中、三刀屋ではZoomを使ってトレーニングをしてきたが、週6日まで増やし、こまめに練習をしつつコミュニケーションをとってきた。

 登校日もあったため、國分健監督は選手たちの表情だけは少しずつ確認はできていたが、20日の中止の時は選手たち練習をすることができていなかった。その代わり、21日にミーティングを開き、3年生とすぐにコミュニケーションをとった。

 「どういった話をすればいいのか難しかったですが、選手たちの喪失感だけでも無くそうと思いましたので、『甲子園と言う大きな目標が無くなって悔しいよな。けど代替大会が開催されるのを信じて、最後までやり切ろう』ということは話をしました」

 奇しくも今年のチームは『最後までやり切る』ことをキーワードに、練習に取り組んできた三刀屋。開催がされるかどうか、ミーティングをした21日時点ではわからなかったが、開催を信じて25日から練習を再開した。

 その翌日、島根県高校野球連盟は代替大会開催を決定した。「開催が決まったから、頑張ってやろう」と、國分監督は再び選手たちに声をかけ、現在も活動を続けている。少しずつではあるが、前向きに取り組めるように選手たちの姿勢が変わってきていることを國分監督は実感している。

 そして6月に入り本格的に練習が再開し、グラウンドに活気が戻ってきた。「元気の良さは今年のチームの取り得でしたので、それを見られたのは良かったです」と國分監督の安堵の声が聞こえてきたが、今年は元気の良さだけではなくバッテリーに注目をしたい。

 昨年の夏の大会も経験する内田智也大谷昂矢の2枚看板は、ともに140キロ台を計測する剛腕。経験が豊富ではあるが、ケガの影響で最後の1年間はなかなか本調子を維持できずにいた。集大成となる最後の大会での活躍が注目される。

 その2人を引っ張るキャッチャーの岡田歩大主将は、冬場にショートからキャッチャーへコンバート。180センチ80キロと大型捕手で、セカンドスローも1.8秒台を記録している。そして打線では4番を担い、高校通算での本塁打は10本以上放っており、チームの大黒柱である。

 國分監督も、「メンタル面もしっかりしていますし、頼れる主将です」と太鼓判を押される岡田主将と内田、大谷の2本柱のバッテリーを軸に、この夏は守備から三刀屋野球を展開する。

(記事=田中 裕毅)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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