丸まった背中はケガにつながりやすい
壁を使って行うスクワット。股関節だけではなく胸椎や足首の柔軟性チェックに有効
私たちの生活に欠かせない存在となりつつあるスマートフォン(スマホ)。小さな画面を長時間のぞき込んだ姿勢は背中や首の筋肉を緊張させて、姿勢が崩れる一因となります。スマホだけではなく、自宅などで長時間座りっぱなしでテレビ画面を見続ける、もしくは勉強に集中して頭がどうしても前に倒れ込んでしまうといったことによっても背中が張ったり、首がだるくなったりします。
皆さんに意識して欲しいことは、こまめに体を動かして姿勢に変化をもたせるということ。デスクワークにおいても1時間に5〜10分程度、立ってストレッチをしたり、軽い運動をすることが推奨されていますが、アスリートとしてもぜひ心がけてもらいたい習慣の一つです。加えて野球選手の場合、背中が丸まった姿勢が続くと肩が本来ある位置よりも前方へと移動してしまい、投球動作などでもスムーズに肩が上がりにくいといったことが起こります。
このような時は胸をしっかりと開くことができるように肩前面部をほぐしたり、胸椎を中心に前後左右に動いたりといったことを行いましょう。姿勢を改善しないまま強引に腕を挙げて投球動作を繰り返すと、やがて肩や肘などに大きな負担がかかってケガの要因ともなります。
自主練習ではできる範囲で自重トレーニングを行ったり、ジョギングやランニングなどを日課にしたりしている選手も多いと思いますが、ここに付け加えて丸まった背中を伸ばすストレッチやエクササイズもセットにして行うようにしましょう。
壁ぎわに立ち、膝が前方に出ないように意識して行うウォールスクワットは股関節の動作改善につながりますが、これに加えて両手を挙げ、そこからしゃがみ込むようにすると胸椎の動きが良くなって背中の緊張もほぐれやすくなります。壁から手が離れないように注意して、丸まった背中を改善させましょう。痛みが出る場合はムリしないようにしてくださいね。
文:西村 典子
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