「出来ることを祈って」 2019年の選抜で21世紀枠の候補校になった、釧路湖陵の現在地
写真は2019年1月の練習から
支部大会、全道大会ともに中止が決まっている北海道。夏の大会まで刻一刻と時間が迫まり、1日でも早く練習を再開したいところだが、それを願う学校の1つが釧路湖陵だ。
北北海道の釧根支部に所属する釧路湖陵は2018年の秋季大会でベスト4進出。東大や北海道大などの国立大をはじめとした大学にも合格者を出す進学校の快進撃が評価されて、2019年の選抜の21世紀枠推薦校の北海道地区の代表として選ばれた。
結果として選出はされなかったものの、注目校として奮闘する釧路湖陵は緊急事態宣言を受けて18日から活動を自粛している。学校も20日から休校となっており、学校の再開は5月7日が予定となっている。
「教育委員会の方々も検討してくださっているようですが、予定通り7日から学校ができるかわからないです。休校が延長する可能性もありますので、予定が立てにくいです」
現在、釧路湖陵で部長としてチームに携わる奥田康夫部長が現状を語る。苦悩の日々を過ごされているが、他にも懸念材料はある。この4月から小田聖人監督から、静内で部長をしていた大川健太先生に変わり新体制となっている。
「話す機会がほとんどない状態で、まだこれからというところで再び休校になってしまいました。休校前のミーティングでも時間がなく、10分程度の話で終わってしまい詳しく練習メニューまで話し合いができませんでした」
また、進学校でもある釧路湖陵は、選手たちには課題を提示しているものの、4月に予定されていた模擬試験が中止となった。部活動だけではなく学業でも不安材料は残る。それでも、釧路湖陵の野球部員としての在り方、過ごし方をを注意しつつ、今できる練習を各自でやるように指示は出して自粛期間を過ごさせている。
また選手からの発案で、SNSを活用して素振りの動画を選手同士で共有し合ってコミュニケーションを取りつつ、レベルアップを図っている。夏の大会の開催はまだわからないが、最善の準備を進めている。
「高野連の先生方もご尽力されていて、開催の準備はして下さっています。何とか出来ることを祈って準備していこうと思います」
一足先にインターハイは中止が決まってしまったが、果たして夏の大会はどうなるのか。開催されるのを信じて、日々を全力で過ごすことがやるべきことなのだろう。
記事:田中裕毅
関連記事
◆コロナで次々と進む高校野球のIT活用 都立新宿はLINEで「個別指導塾」を開催
◆コロナで次々と進む高校野球のIT活用。愛知の新鋭・豊野はZoomで結束を深める
◆県立高松商(香川) 結束のキーワードは監督発信の『あの』ポーズ!