圧倒的な活躍を見せた菊池雄星(花巻東出身) 過去5年の西武の開幕投手たち
コロナウィルスの感染拡大を受け、開幕延期が決まったプロ野球。開幕が待ち遠しい日々が続くが、せっかくなので開幕後によりプロ野球を楽しめるデータをお届けしたい。そこで過去5年間の開幕投手を調べ、それぞれの投手成績を比較してみた。今回は昨季パ・リーグを制した埼玉西武ライオンズ。
菊池雄星は3年間で主要タイトル3つ獲得
埼玉西武ライオンズ時代の菊池雄星
2015~2019年の5年間、西武の開幕戦先発マウンドに上がったのは牧田和久、菊池雄星、多和田真三郎の3人。彼の主な投手成績は下記のとおり。
現在パ・リーグ2連覇中の西武は、ここ5年間で見ても4位、4位、2位、1位、1位と上位争いを続けている。開幕投手たちの成績もやはり、チーム成績に比例するように良い数字が並ぶ。5年間で合計52勝は12球団中3位。
2019年は、多和田真三郎が頻脈性不整脈などの影響もあり1勝止まりだったが、多和田以外の4人で51勝を挙げており、とてつもない数字と言える。特に2017年の菊池雄星は26試合に登板し16勝を挙げて最多勝、防御率1.97で最優秀防御率の二冠を獲得するなど、名実ともにエースと呼べる活躍だった。
登板数を見ると平均23.4試合で、わずかだが12球団平均22.8試合を上回っている。ただし、2015年の牧田和久は34試合のうち13試合は中継ぎ登板のため、純粋な先発登板数ではもう少し低くなってしまうが。
それでも、平均10.4勝6.8敗は12球団平均9.0勝7.7敗をいずれも上回っており、同じ登板数でもどれだけ勝ってきたかがわかる。平均投球回数は約140回とわずかに規定投球回数に届かないが、こちらも2015~2018年の平均をとると158回となる。
平均奪三振数は120と、12球団平均122個とほぼ変わらないが、西武に関しては投手ごとの差が激しくなっている。牧田が137回で66奪三振数なのに対し、2017年の菊池は187回で217奪三振と、圧倒的な差がある。左のオーバーハンドに対して右のアンダーハンドと、両極とも言える二人の、投球内容の違いが表れていると言える。
また、防御率を見ると多和田以外は概ね良い数字だ。西武と言えば「山賊打線」の異名の通り、打って勝つチームという印象があるが、開幕投手(=エース)に関してはそうではなく、自分で抑えて勝っていたと言える。
今季の開幕投手は、昨季来日1年目で12勝を挙げる活躍を見せたニールが務める予定。昨年同様のピッチングができれば最多勝も狙えるだろう。パ・リーグ3連覇、そして悲願の日本一を果たすためにも、獅子奮迅の活躍が求められる。
記事:林龍也
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