初異動先で初監督なのに。小海(長野)で練習できず、完全な手探り状態で再開待つ
本来であれば多くの地域で春季大会が佳境を迎えるところだが、新型コロナウイルスの蔓延の影響でほとんどの大会が中止となった。学校も休校となり、4月から異動した先生方は新天地で思うようなスタートを切れず厳しい環境にある。
長野の小海高校に4月から着任された清水猛杉先生もその中の1人。2019年度は南信地区にあり、昨夏の長野大会で決勝まで進んだ伊那弥生ケ丘で部長として選手たちの指導にあたっていた。だが、3月の活動自粛中に佐久長聖や上田西のいる東信地区の小海への異動が決定した。
伊那弥生ケ丘では離任式ができなかったが、3月末に簡単な挨拶だけ選手たちと済ませ、小海へ着任。清水先生にとって教員生活初の異動となり、新天地では初めて監督としてチームを指揮する。初めてのことが多く、完全に手探りの状態でスタートをすることとなった。
ただ、4月6日から3日間だけ練習することができ、会議等で多忙の合間に選手たちの様子を見ることができた。その時に清水先生が感じたのはバッティングに力を入れていることだった。
「細かいところまでは見れませんでしたが、久しぶりに練習ができていたのは楽しそうでしたし、力強い打球を飛ばしていたので、バッティングに力を入れている印象を持ちました。それを見て『もっと頑張ればなんとかなる』と感じました」
あまり改革をするのではなく、選手たちの力を見極めつつ話し合いながら長所を伸ばしていくことで、チームを仕上げていく方針を明かした清水先生。その第一歩として、現在は3月中に小海でやっていた選手と監督全員が入っているグループLINEで自主練習の報告をしてもらうことで、選手たちとコミュニケーションを取っている。再開予定は5月7日となっており、それまでは各自で練習をしてもらうしかない状況だが、清水先生は選手たちへこのようなメッセージを送っている。
「何ができるのか詳しくはわからないので、長い時間を使ってチームで1番になれる武器を作ろうと。そうすることで自信を付けつつ、チーム力の底上げができればと思っています」
目指すは昨夏長野で準優勝した伊那弥生ケ丘のように、選手と監督が1つのチームになること。グラウンドでチーム一丸となって練習ができず思うようなスタートではないが、今はLINEを駆使してチームを1つにまとめ理想のチームを作り上げていく。
記事:田中裕毅
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