昨夏、名門・鹿児島実を下した公立校・国分中央が自粛期間に取り組ませるTODOリスト
写真は2018年10月より
沖縄県を除いて、開催前に春季大会が中止となった高校野球界。緊急事態宣言によって多くの学校が休校、活動自粛をせざるを得ない中にあるが、鹿児島の国分中央も現在は活動ができていない。
樟南や鹿児島実、さらに神村学園に鹿児島城西など実力校がひしめく鹿児島だが、公立校の国分中央は4回戦で鹿児島実を下してベスト4に入る快進撃を見せた実力校である。
そんな国分中央も4月6日の始業式から21日までは2時間の制限の中で練習ができていたが、22日から活動を自粛中。5月6日まで自粛の予定となっている。
ただ新年度から練習ができたため、1年生たちとも少しの時間だけではあるが、練習をすることができた。新入生の顔を見られない学校がある中で、グラウンドでともに野球ができただけでも大きいが、国分中央にとっては他にもプラスがあった。
「国分中央の掟やTODOリストを練習終わりの30分とかでも伝えることで、どういった意味なのか。今もやっていますが、基本を教えながらできました」
そのように語ったのは、チームを指揮する床波隆志監督。国分中央が築き上げた歴史や伝統を伝えるために書き記された掟。そして、練習内容と私生活の2つに分けて、毎月チームで取り組むことを決めたことをまとめたTODOリスト。この2つが強さの秘密になるが、それを1年生が学ぶことができたことがプラスなのだ。
このTODOリストを含んだうえで、選手たちは練習メニューを組みながら予定や反省を毎日プリントに書かせている。こうすることで自覚をもって毎日過ごせるようにしているが、不安は当然ある。
「一度練習を再開した時に基礎体力が落ちていたせいか、あまりケガをしない選手が怪我してしまいまして。再会をした時はどんな練習メニューで組むか、予定が立たないと考えにくいです。また、今年から球数制限もありますので、投手陣の特性を見極めるのを速めにしないといけないです」
不安はあるが「前を向くしかない」と考えて、主将に向けてLINEを通じて読んでもらいたいコメントや写真を送ってもらうようにしている床次監督。最後に「甲子園がなくても、県大会とかのレベルだけでもさせてあげたい」と語った。チームの強さの土台となる部分を築きつつ、再開を待つ国分中央。もう一度躍進夏が来ることを願って、今は準備を進めていくしかないのだろう。
記事:田中 裕毅
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