News

命を大切にした行動を。岩国商はSNSを駆使しつつ、反省と改善を繰り返す

2020.04.23

命を大切にした行動を。岩国商はSNSを駆使しつつ、反省と改善を繰り返す | 高校野球ドットコム

 新型コロナウイルスの猛威が止まらず全国に向けて緊急事態宣言が出された。ほとんどの学校で活動の自粛が行われ、球児たちが自宅待機を余儀なくされている。それは、山口県・岩国商も含まれる。

 過去に甲子園に出場した経験がある岩国商は3月2日から4月8日まで活動が自粛。新年度が始まり練習を再開させたが、コロナウイルスの感染拡大を受けて15日から再び学校が休校。これに合わせて部活動も活動自粛となり、活動再開は5月7日を予定している。

 何とか練習を再開させた岩国商だが、チームの指揮を執る中内博和監督は疑問を抱いていた。
「『まずい』と思いました。練習だけでなく、授業の合間の休憩時間、練習前後の着替えや帰り道などで三密を防ぐことができていないと感じました。大人数での全体練習を見直し、次週から学年やポジションごとに班を分けた練習を考えていました」

 その後、岩国商は休校・練習自粛に。現在は命を最優先し日々を過ごす岩国商。しかし夏は待ってくれない。トレーナーから与えられる動画付きのトレーニングメニューをキャプテンやリーダーを中心に共有。

 それに加えランニングメニューなどを選手同士で決め、個人で取り組むことのできる練習メニューを選手間でSNSを利用して共有している。技術練習については、個人個人が考えてそれぞれで取り組み、練習日誌をグループごとにチェックする。その後リーダーを中心に情報を共有し、週ごとに反省、改善を繰り返しながら取り組んでいる。

 同時に選手たちには練習以外にもやるべきことを伝えている。
 「練習以外に毎日のニュースは、必ず見るように伝えています。世の中の動きに興味関心を持ち、正しい判断ができるようにするためです」

 そのうえで中内監督は選手たちに目標の明確化の重要性を伝える。
 「3年生たちの甲子園がなくならないことを願っています。しかし、今は現実を受け止め、命を最優先し、目の前のできることに全力を尽くして欲しいと思っています。また、『常に最悪の状況は想定しておき、それを受け止める心構えはしておこう』と選手たちには伝えています。そのためには、甲子園の先にある個人個人の目標を明確にしようと投げかけています」

 最低限のルールの中で、SNS等を利用しながら連携をはかり、リーダーを中心とした組織化の下で主体性を育んでいる岩国商。夏を目指して準備を進めている中で、覚悟を固めていた中内監督。焦る気持ちがあるかもしれないが、命を大切に我慢することが夏の大会開催への第一歩になるはずだ。

記事:田中 裕毅

関連記事
東浦が冬のメンタル強化の成果を示す!知多地区予選2試合を徹底レポート!【春季愛知県大会】
東浦の打線が愛産大工の5投手を粉砕!2試合を徹底レポート!【春季愛知県大会】
第126回全尾張高等学校野球選手権大会 準決勝戦 東浦vs誉を振り返る!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.04

【春季愛知県大会】注目の師弟対決の決勝、享栄が中京大中京を下して8年ぶり8回目の優勝

2024.05.04

1500人近くの中学生が肩肘検診を一斉に受ける!ポニーのお祭り行事・ポニーフェスタは今年も大盛況!

2024.05.04

【新潟】東京学館新潟、糸魚川がコールド勝ちでベスト16入り<春季県大会>

2024.05.04

【神奈川春季大会】東海大相模・藤田琉生が涙の1失点完投!昨秋準決勝で敗れた横浜相手にバットでもリベンジ果たす!

2024.05.04

【大阪】大阪桐蔭、大体大浪商などがベスト16で夏シード獲得、履正社は2年連続ノーシード<春季大会>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.29

【福井】福井工大福井、丹生、坂井、美方が8強入り<春季県大会>

2024.04.29

【春季埼玉県大会】今年の西武台はバランス型!投手陣の完封リレーで初戦突破!

2024.04.29

東海大相模の149キロ右腕・福田拓翔が6回10奪三振の快投!「甲子園で150キロを投げたい」とセンバツV・健大高崎の石垣をライバルに!

2024.04.29

【石川】金沢、遊学館がコールド勝ちでベスト16入り<春季県大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>