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岡本和真(智弁学園出身)、甲斐野央(東洋大姫路出身)ら12人輩出!ハイレベルな96年世代ドラ1の現在地

2020.04.22

 野球の世界には「松坂世代」を始め、有力選手が集まった世代を「〇〇世代」と形容する流れがある。毎年12名のドラフト1位が生まれるので、平均すれば各世代に12名のドラ1がいることになるのだが、多い世代、少ない世代というのが出てくる。そこで世代別にドラフト1位を集計し、その現在地を見ていきたい。今回は高卒6年目を迎える96年世代だ。

12人のほとんどが一軍で活躍

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左から甲斐野央、岡本和真、高橋光成

 96年世代からは高卒4人、高卒社会人2人、大卒6人の計12人がドラフト1位指名を受けている。彼らの主な成績は以下の通り。

<2014年ドラフト>
安樂智大済美・東北楽天) 2球団競合
通算37試合 5勝14敗 181.2回 126奪三振 防御率4.01

松本裕樹(盛岡大付・福岡ソフトバンク) 単独指名
通算29試合 4勝7敗 121.2回 96奪三振 防御率4.29

岡本和真智辯学園・読売) 単独指名
通算321試合 65本塁打 200打点 打率.281

髙橋光成前橋育英・埼玉西武) 単独指名
通算61試合 24勝24敗 345回 246奪三振 防御率4.25

<2017年ドラフト>
田嶋大樹佐野日大・JR東日本・オリックス) 2球団競合
通算22試合 9勝7敗 118.1回 109奪三振 防御率3.80

鈴木博志磐田東ヤマハ・中日) 外れ1位
通算78試合 4勝8敗18セーブ 74回 58奪三振 防御率4.38

<2018年ドラフト>
松本航明石商・日体大・埼玉西武) 単独指名
16試合 7勝4敗 85.1回 65奪三振 防御率4.54

辰己涼介立命館大・東北楽天)外れ1位・4球団競合
124試合 4本塁打 25打点 13盗塁 打率.229

上茶谷大河(京都学園・東洋大・横浜DeNA) 外れ1位・2球団競合
25試合 7勝6敗 134回 102奪三振 防御率3.96

甲斐野央東洋大姫路・東洋大・福岡ソフトバンク) 外れ外れ1位
65試合 2勝5敗8セーブ 58.2回 73奪三振 防御率4.14

清水昇帝京國學院大・東京ヤクルト) 外れ外れ1位
11試合 0勝3敗 26回 24奪三振 防御率7.27

髙橋優貴東海大菅生・八戸学院大・読売) 外れ外れ1位
18試合 5勝7敗 93回 89奪三振 防御率3.19

 上記したように、既に12人のドラ1選手が誕生している96年世代。今秋、大卒社会人の選手たちがドラフト指名を控えていることを考えると、アマチュア時代の評価が非常に高い世代だと言える。

 高卒の4人を見ると、岡本和真髙橋光成はチームの主力選手へと成長した。岡本は2年連30本塁打以上を記録、髙橋光成は先発ローテーション投手として二けた勝利を達成した。

 二人に対して、安樂智大松本裕樹の2人はやや苦戦している様子だ。安樂は2年目に15試合に登板して3勝を挙げているが、それがキャリアハイとなっており、ここ2年間は未勝利だ。松本も3年目に15試合に登板しらが、やはりその年の2勝が最多で、その後は伸び悩んでいる。故障などの影響もあるが、ここからの巻き返しを期待したい。

 続いて高卒社会人の田嶋大樹鈴木博志を見ていく。田嶋は1年目から一軍で先発し6勝を挙げたが、昨季は3勝止まり。今季は開幕ローテーション入りをほぼ手中にするなど、奮起に期待がかかる。鈴木は1年目から53試合に登板、2年目も5月までに14セーブを挙げたが、その後は低迷した。勝負の3年目を迎えた2人は、年間通してチームの戦力となれるか。

 大卒でプロ入りした6人は、全員が一軍の試合に出場し、一定の成績を残した。上茶谷大河は規定投球回にこそ到達しなかったが、年間通してローテーションを守り、チームの2位進出に貢献。松本航髙橋優貴も先発で100回近く投げるなど、リーグ制覇の戦力になった。

 甲斐野央は開幕一軍入りすると、年間通して一軍で活躍し、チームの日本一に貢献。シーズン終了後には侍ジャパンにも選出されて世界一を獲得するなど、大活躍の1年だった。現在は右ひじ痛のためリハビリ中だが、開幕延期の期間を味方につけたい。清水昇はシーズン中盤に一軍昇格を果たしたが、11試合で防御率7.27とやや苦戦した。今春オープン戦では好投を見せており、飛躍の年としたい。

 唯一の野手となった辰己涼介は、一時離脱はあったもののシーズンを通して一軍で出場し、CS出場に貢献した。今季は打力を磨いて、走攻守で存在感を示したい。

 タイトル獲得には至っていないが、岡本をはじめ各チームの戦力になっている選手が多い96年世代のドラ1選手たち。今秋のドラフト指名を待つ社会人選手たちへの期待も高まるばかりだ。

記事:林龍也

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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