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板東 湧梧、河野 竜生と数多くの好投手を輩出した鳴門

2020.04.18

板東 湧梧、河野 竜生と数多くの好投手を輩出した鳴門 | 高校野球ドットコム
左から後藤田 崇作、板東 湧梧、河野 竜生、西野 知輝

 47都道府県で唯一夏の甲子園に私立高校が出場したことのない徳島県において、過去10年間で8度の夏の甲子園出場を果たしている名門・鳴門。この高校からは数々の名投手が誕生している。今回は鳴門高校から誕生した球界の大投手とここ最近の甲子園出場を支えた投手たちを振り返りたい。

【鳴門出身の好投手たち】
潮崎哲也
後藤田 崇作
板東 湧梧
河野 竜生
西野 知輝

 まず、鳴門高校から誕生した球界の大投手といえば、西武の黄金期を支えた潮崎哲也だ。「魔球」とも称された伝家の宝刀シンカーを駆使して、球界の名手たちを手玉に取ってきた。潮崎は高校時代、サイドスローからのシンカーを武器にチームの勝利に貢献してきたが、最後の夏は池田高校に敗れ甲子園出場とはならなかった。

 ここ最近の鳴門高校では2012年に春の選抜でベスト8、夏の甲子園にも出場した際のエース後藤田 崇作がチームを引っ張った。球速は、常時120キロ台後半~MAX137キロ。カーブ・スライダー・チェンジアップを駆使して、両コーナーにボールを散らせる投球を見せた。夏の甲子園では初戦で済々黌に敗れてしまったものの、2012年の高校野球で強いイメージを残した。卒業後は関西学院大を経て、シティライト岡山に所属し活躍を見せている。

 続く2013年のチームではエースに板東 湧梧に成長。ワインドアップから、静かにゆったりと入って来るフォームで120キロ台後半~130キロ台中盤ぐらいの球速からカーブ・カットボール・スライダー・シンカーなど、多彩な球種をコースに集め、昨年に続き、春夏ともに甲子園に出場し、春は3回戦、夏はベスト8まで進出した。春夏の甲子園で注目を集めた板東は高校卒業後、JR東日本に進み、都市対抗野球などで制球力のよさと緩急のコンビネーションを駆使した安定感のあるピッチングを示し、プロ球団のスカウト陣からの評価は急上昇させ、2018年のドラフト会議で福岡ソフトバンクホークスに4位指名され、プロの舞台に足を踏み入れた。プロでのさらなる活躍に期待したい。

 2014年には昨年ドラフト1位北海道日本ハムファイターズに入団した河野 竜生が入学。1年からベンチ入りし、甲子園に出場。1回戦で近江と対戦し、8対0で敗れたものの、河野 竜生尾崎 海晴(法政大準硬式)、中山 晶量(明治大)の3人の1年生で1試合投げ抜き、次に繋がる大会となった。

 3回目となる最後の甲子園で河野は常時130キロ台後半~140キロ台前半のボール投げ込み、ツーシームを多めに投げることでピッチングの幅を広げ、曲がりながら落ちるスライダー、時には110キロ台のチェンジアップやカーブのような緩い球も織り交ぜる投球を両サイドに投げ込むことで打者を手玉に取り、佐久長聖、智弁学園、盛岡大付を退け、ベスト8進出と躍進した。卒業後はJFE西日本で投球術に磨きをかけ、昨年、北海道日本ハムから1位指名を受け、即戦力左腕として期待される。

 2018年、2019年チームでは西野 知輝がエースの座についた。ストレートは常時130キロ前半(最速135キロ)と決して速くないが、120キロ前後のスライダー、120キロ前後のスプリット、カーブを低めに集める。変化球の割合が多く、いずれもボール付近に集まるので、フルスイングができない。走者がいなくてもセットポジションから始動し、右腕のグラブを高く掲げて、コンパクトなテークバックから一気に振り下ろす投球フォームは、どことなく、河野 竜生を思い出させる投手だ。

 今後も鳴門の投手陣が強力になり、甲子園で躍進する姿、また鳴門出身の投手が次のステップでさらに活躍を広げていくことに期待したい。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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