News

新型コロナによる突然の別れ。打撃強化をしてきた市立岐阜商にやってきた別れの春

2020.03.31

新型コロナによる突然の別れ。打撃強化をしてきた市立岐阜商にやってきた別れの春 | 高校野球ドットコム
打撃練習をする市立岐阜商の選手

 全国各地で新型コロナウイルスの影響で春季大会の中止や延期が余儀なくされている。その中で、岐阜県は26日に地区予選と県大会の中止が決定している。活動を自粛している各校は、夏の大会へ照準を切り替えて練習を重ねていくこととなる。

 しかし新年度の始まりに合わせて先生の異動がある3月。過去夏の甲子園に4回出場経験を持ち、2018年のドラフトで広島カープに指名を受けた中神拓都を輩出。昨夏は3回戦で姿を消したものの、県内屈指の実力を持つ強豪・市立岐阜商も例外ではない。

 チームの指揮を執る秋田和哉監督は21年間務めてきたが、新年度より岐阜城北への異動が決定。岐阜市の方針で2月29日から活動を自粛しており、4月7日まで練習ができない。2月28日が選手たちとグラウンドで会う最後の日になった。

 「3月11日に内示が出ていましたので、24日の登校日に会えた時は生徒も薄々わかっていました。その時に色んなプレゼントを用意してもらえて、短時間で話をしてお別れでした」

 市立岐阜商の選手には「頑張れ」と言葉を残した秋田監督。現在は地元が近い選手同士がグループになって、空き地を使いながら自主練習を行い、マネージャーへ報告。その報告を秋田監督が聞く形が1か月になる。
 「三重や愛知の公立校はやっているのですが、岐阜県は自粛なので大変です。また自主練をやっていても限界がありますが、私立は練習をやっています。この1か月は大きいです」

新型コロナによる突然の別れ。打撃強化をしてきた市立岐阜商にやってきた別れの春 | 高校野球ドットコム
秋田和哉監督

 今年はグラウンドに雪が積もることなく、暖かったため1月まで木製バットを使ったフリーバッティングを中心に打撃を強化してきた。さらに2月に入り実践練習をするなど、実戦を意識した練習を継続してきた。

 選手の成長を確かめる意味でも楽しみだった春季大会はなくなり、今は練習もできない。秋田監督は速く再開してほしいと切に願いながら、「3年生が可哀そう」だと語る。

 新天地・岐阜城北で再びスピード感を持った野球をテーマに夏の頂点を目指す。
 「今までやってきた流れもあるので生徒と話をしながらですが、3年生が悔いなく夏やる方法は何か。また選手の状態もわからず、新年度になって初めて会うことになります。とにかく一生懸命悔いなくやれるようにします」

 こういった形で別れになるのは切ない。しかし、いよいよ新年度になり新体制で始まるチームもある。市立岐阜商、そして秋田監督が赴任する岐阜城北の今後を注目したい。

(取材=田中 裕毅

関連記事
【大会中止・延期情報一覧】新型コロナの影響で兵庫県大会が中止。これで各県の1都12県が中止に。
市立岐阜商(岐阜県)平成最後の夏に台風の目となる!
岐阜の二刀流・中神拓都(市立岐阜商)高校通算46発の多くは逆方向「逆方向本塁打の極意」

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.05.26

【春季近畿大会】大阪学院大高のプロ注目ショート・今坂幸暉は3打数無安打。「第1打席がすべて」と悔やむも好守備に手応え

2024.05.26

【春季関東大会】超強力打線・帝京の快進撃が止まる! 白鷗大足利の山口・昆野を攻略できず、13年ぶりの夏への課題は「大黒柱の育成」

2024.05.26

【島根】開星、出雲が各地区で優勝<各地区大会>

2024.05.26

【宮城】仙台育英が投打に圧倒して5大会連続28回目のV<春季県大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.22

【春季関東大会】センバツVの両エース打ちで勝利に貢献!逆転タイムリー放った池田翔吾(常総学院)は指揮官も絶賛の打棒の持ち主!

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商