活動再開の決定権は教育委員会。大阪の府立校野球部は再開が見えない現状
港と八尾
4月18日開幕の予定で準備が進んでいる春季大阪府大会。各校が新型コロナウイルスへの対応で苦労されている中で、最善の準備を進めている。私立校は学校の意向で活動の制限ができるため、活動再開している学校も一部ではある。しかし、公立校は教育委員会の意向に決定権がゆだねられる。
2018年の秋の大会で、府立校唯一のベスト8に進出した港も活動は現在休止中。予定通り進めば4月8日より再開できることとなっている。練習試合に関しても11、12日に組んでいるが、それも今後次第となる。
現在は主将を経由して選手たちへメッセージを送っている西原佑騎監督だが、1か月、選手たちとグラウンドで会えていない。活動再開の決定権は「行政の方々にかかっていますね」と語る西原監督。予定通り再開できれば理想だが、あくまで健康第一の方針だ。
「命の方が大事ですし、生徒に何もなくても親や祖父母にかかってはいけないと思います。ですので、終息になるまではやらなくてもいいかなと思っています」
また、同じ府立校で昨年のセンバツの近畿地区の21世紀枠推薦校に選ばれた大阪八尾も3月中は活動中止。4月7日までは選手たちの自主性に任せて練習をさせているが、1か月間は全体練習ができていない。練習試合も4月11日、12日に予定をしており、大会前の貴重な試合となるが、この状況に大谷友哉部長も苦しんでいる。
「教育委員会に決断をゆだねておりますし、指示がなければ動けないのでどうしようもないです。選手たちもいつ再開できるか保証がないので、不安があると思います」
府立校の多くは、府の教育委員会の決断が下されるまで、活動再開の先行きが見えないこと。そして準備不足で公式戦に向かうことで不安ばかりが募っていく。
今年はベスト16以上が夏のシード権を獲得できる例年とは違った大きな意味合いを持つ春季大阪府大会。どのような形で開催するのがベストなのか。それとも中止するのが最善なのか。どちらにしても、選手たちにとって大事な大会が納得出来る形になることを願うしかない。
(記事=田中 裕毅)
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