小園海斗(報徳学園出身)も続くか? 広島の高卒生え抜きの2桁本塁打達成者からは日本代表が3人
キャンプでは大きな存在感を見せている広島・小園海斗(報徳学園出身)
昨シーズンはセ・リーグ4連覇を逃し4位に終わった広島は佐々岡真司新監督を迎えて、2020年シーズンを戦うことになる。
打線を見ると日本の4番に成長した鈴木誠也を中心にどのように得点を奪っていくかが鍵となる。なかでも鈴木の前を打つ上位打線の出来は、チームの得点力を大きく左右する。とくに不動の1番打者として3連覇の原動力となった田中広輔の復活は欠かせない。
昨シーズンは故障もあり、絶不調だった田中もここまでは順調そのもの。手術明けでを感じさせない動きで小園海斗との正遊撃手争いでも、一歩リードしている感がある。
田中のライバルである小園は、この春季キャンプで本来の遊撃だけでなく二塁や三塁の守備にもついている。三塁は新外国人のホセ・ピレラが機能しなかったとき、二塁は菊池涼介のバックアップに備えてのことだ。佐々岡監督が期待の若手有望株をどのようなプランで起用していくかは、気になるところでもある。
そんな小園は高卒1年目の昨シーズン、58試合の出場で4本塁打を放ち球団の高卒新人による本塁打記録を塗り替えた。今年、あるいはこの先のシーズンで出場機会を増やすことができれば、2桁本塁打も十分に狙えるのは間違いない。
さてここで広島の高卒生え抜き野手を振り返ってみると、2005年のドラフト以降で2桁本塁打を記録しているのは會澤翼、丸佳浩、堂林翔太、鈴木誠也と4人いる。堂林こそ伸び悩んでいる感はあるが、會澤、丸、鈴木の3人は日本代表入りを果たした実績者たちだ。これは小園にとっても心強いジンクスだろう。
ちなみにチームの先輩たちが初めて2桁本塁打に到達したのは、會澤が8年目、丸は6年目、堂林は3年目、今をときめく鈴木は4年目だった。2年目の小園が先輩たちを追い抜く可能性は十二分にある。
前田智徳や鈴木が入団時に背負っていた出世番号である「51」を与えられた小園は、彼らを上回るスピードで2桁本塁打を記録できるだろうか。もちろん2桁本塁打が全てではないが、「打って、守れて、走れる」存在になる可能性を小園は秘めている。
【広島の高卒野手】
※2005年ドラフト指名以降(育成はのぞく)
※☆は2020年シーズンNPB/MLB現役
※★は2桁本塁打経験者
鈴木将光(遊学館/外野手/2005年高校生1巡)
會澤翼(水戸短大付属/捕手/2006年高校生3巡)☆★
安部友裕(福岡工大城東/内野手/2007年高校生1巡)☆
丸佳浩(千葉経済大付/外野手/2007年高校生3巡)☆★※現在は巨人
申成鉉(京都国際/内野手/2008年4位)
堂林翔太(中京大中京/内野手/2009年2位)☆★
磯村嘉孝(中京大中京/捕手/2010年5位)☆
高橋大樹(龍谷大平安/外野手/2012年1位)☆
鈴木誠也(二松学舎大付/内野手/2012年2位)☆★
美間優槻(鳴門渦潮/内野手/2012年5位)
桒原樹(常葉菊川/内野手/2014年5位)☆
多田大輔(鳴門渦潮/捕手/2014年7位)
青木陸(山形中央/内野手/2015年7位)
坂倉将吾(日大三/捕手/2016年4位)☆
中村奨成(広陵/捕手/2017年1位)☆
永井敦士(二松学舎大付/外野手/2017年4位)☆
小園海斗(報徳学園/内野手/2018年1位)☆
林晃汰(智弁和歌山/内野手/2018年2位)☆
中神拓都(市岐阜商/内野手/2018年4位)☆
羽月隆太郎(神村学園/内野手/2018年7位)☆
韮澤雄也(花咲徳栄/内野手/2019年4位)☆
(記事:勝田聡)
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