青森山田が行ったギニュー特戦隊のポーズから考えてみよう、得点直後のパフォーマンス
13日に行われた第98回全国高等学校サッカー選手権決勝は、静岡学園が3対2で青森山田を破り、24大会ぶり2回目の優勝を果たしました。
この高校サッカーで、準決勝翌日の12日にニュースになったのが、青森山田の選手が準決勝での得点直後に人気漫画「ドラゴンボール」のギニュー特戦隊のポーズをやったことを、黒田剛監督から「ふざけるな」とカミナリを落とされたことです。
サッカーの得点直後のセレブレーション(パフォーマンス)は他のスポーツの得点直後以上に目立ちますが、このギニュー特戦隊のポーズは一部で「過剰すぎる」という声が挙がったようです。思い返せば、優勝した静岡学園も準々決勝で「ドラゴンボール」のかめはめ波のポーズを得点直後にしていました。
これが高校野球だったと想像したらどうでしょう。
「確実に高野連に注意される」「別にいいんじゃない?」など、いろんな声が挙がることが予想されます。
今の野球では得点直後のセレブレーションはルールよりマナーの部分の話であり、大きな罰則はありません。しないように注意されるくらいでしょう。しかし、もし罰則ありのルール化がされていたとしたら・・・
実はハッキリとルール化されているスポーツもあります。その一つがアメリカンフットボール(アメフト)。
アメフトでは、オーバーセレブレーションと判断されると、アンスポーツマンライクコンダクト(否スポーツマン行為)としてペナルティを受けます。大学スポーツになりますが、2003年の甲子園ボウルで、ある選手がタッチダウンで得点した直後に、先輩が銃で撃ち、タッチダウンした選手が撃たれる役をするパフォーマンスを行い、アンスポーツマンライクコンダクトの反則を取られました。
得点は認められたものの、審判は次のプレー開始時に罰退を与えました。ちなみにその選手は、ヘッドコーチに厳しく叱責され、その試合で以降の出場機会を与えられませんでした。
アンスポーツマンライクコンダクトが野球やサッカーでルール化されるようになってはつまらないと思います。喜びを表現したい気持ちはわかる部分がありますが、過剰にやりすぎてスポーツマンらしくない行為と受け取られないようにすることが大事です。
高校球児の皆さん、今回のギニュー特戦隊ポーズのニュースをきっかけに一度、得点時の喜び方の表現をどうしたらいいか。試合ができない今の時期だからこそ、ミーティングなどで考えてみてはいかがでしょう。
(文=松倉 雄太)
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