News

狭間監督(明石商)、長尾監督(高松商)など高校野球界で存在感を見せる「中学野球の名将」たち

2020.01.09

狭間監督(明石商)、長尾監督(高松商)など高校野球界で存在感を見せる「中学野球の名将」たち | 高校野球ドットコム
明石商の狭間善徳監督

 近年の高校野球界で、大きな存在感を示しているのが中学野球の指導経験がある監督だ。
 中学野球の名将が高校野球でも実績を残すケースが目立っており、きめ細かい中学生への指導が高校野球の指導にも大きく活かされることを感じさせる。今回は、高校野球でも実績を残す、中学野球の指導経験がある監督を紹介していきたい。

 明石商の狭間善徳監督は、高知・明徳義塾中野球部のコーチ、監督を務めてきた経歴を持つ。チームを4度の全国制覇に導き、中学野球界の名将として名を馳せると、2006年からは明石市が新設した民間人採用枠で明石商の監督に就任。
 11年春の兵庫県大会で優勝し近畿大会へ出場を果たすと、2016年には選抜甲子園に初出場を果たす。2019年には春夏連続で甲子園ベスト4入りを果たして、今や全国屈指の名門校と呼ばれるまでになった。

 また2018年から仙台育英を率いる須江航監督も、系列である秀光中等教育学校野球部を全国屈指の強豪に育てた名将だ。攻撃だけで無く、守備や走塁にも確率論を用いたキメの細かいデータ野球を高校野球にも応用し、就任した2018年から2年連続で夏の甲子園にチームを導いてる。

 他にも中学軟式野球界からは、四国の古豪・高松商の長尾健司監督の名前が挙がる。
 丸亀市立飯山中や香川大教育学部付坂出中で、全国大会出場の実績を残すと、2014年に高松商の監督に就任。2016年に選抜甲子園で準優勝を果たすと、2019年には好投手・香川卓摩を擁して春夏連続で甲子園出場を果たした。

 さらに同じ四国では、高知商の上田修身監督が、2018年の第100回選手権大会で大きな存在感を示した。
 長年、高知県の公立中学校で指導者を務め、中学時代の藤川球児(阪神)も指導した経験を持つ上田監督は、2015年に母校の高知商に就任すると強打のチームを作り上げて、チームを12年ぶりに甲子園へと導いた。1回戦の山梨学院戦、2回戦の慶應義塾戦で見せた強打は記憶に新しいだろう。

 中学硬式出身の監督に目を移すと、秀岳館で一時代を築いた鍛冶舎巧監督が挙げられる。
 松下電器(現パナソニック)に務める傍ら、大阪府のオール枚方ボーイズの監督を務め、ジャイアンツカップで3度の優勝に導くなど、輝かしい実績を残した。
 その後、2014年4月より熊本・秀岳館の野球部監督に就任すると、2015年の秋季九州大会で優勝を果たし、明治神宮野球大会に出場を果たす。翌2016年の選抜甲子園からは三季連続で全国ベスト4に進出し、2018年3月からはは県立岐阜商で指揮を執ってる。

 その他にも、敦賀気比の東哲平監督は、福井の硬式野球チーム・オールスター福井ヤングの監督を務めた実績を持ち、また2019年の4月に青森山田の監督に復帰した兜森崇朗監督も、青森山田リトルシニアの監督を務めた経歴がある。

 このように「中学野球の指導者出身」の監督は、高校野球でも指導力に定評のある指導者が多い。中学野球の指導は、高校野球にも大いに活かされることを感じると同時に、「監督の指導力」の大きさを痛感させられる。
 これからの活躍も非常に楽しみであり、「中学野球出身」のさらなる新星の登場にも期待したい。

(文=栗﨑 祐太朗

関連記事
ドラ1を現実化へ。世代を代表するスラッガー・来田涼斗(明石商)の課題
化け物クラスの投手へ 中森俊介(明石商)が求めるのは「柔軟性」。
2020年の「大型遊撃手枠」は入江大樹(仙台育英)だ!活躍のピークはラストシーズンで!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.13

【仙台六大学】“投手王国”にまたひとり…リーグ戦初登板初先発の東北福祉大・柴田由庵が史上15人目ノーヒットノーラン達成!

2024.05.14

【2024年春季地区大会最新状況】近畿大会、北信越大会、全道大会で出場校が決まる

2024.05.13

【首都大学】14季ぶりリーグ戦優勝の帝京大のエース左腕・榮 龍騰は「絶対にマウンドを譲りたくなかった」ストレートを軸にした投球で前回対戦の悔しさ晴らす11奪三振快投!

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.09

「指導者はどこにいる?」九里学園(山形)が 選手主体の”考える野球”で成果着々

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?