【秋季静岡県大会】藤枝明誠や加藤学園などフレッシュな顔ぶれの来春以降の成長に注目!
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加藤学園筆頭にフレッシュな顔ぶれに
優勝した藤枝明誠
静岡、常葉大菊川、東海大静岡翔洋などの上位常連校がベスト8までで敗退したということもあって、いくらかフレッシュな印象となった静岡県大会の決勝。藤枝明誠が加藤学園にサヨナラ勝ちして3年ぶり3回目の東海大会進出を果たした。また、加藤学園は春季県大会準優勝に続いての準優勝となった。秋季東海地区大会は18年ぶりの出場である。
藤枝明誠は右の小林大我君と左の長身大石航君の両投手が軸となっている。村松杏都主将もチームをよくまとめているという印象だ。東海地区大会でも準決勝まで進出。最後は光岡孝監督の出身校でもある中京大中京に力負けでコールド負けとなってしまったが、序盤は食い下がり「本気で甲子園へ行きたい」という思いを十分に表していた。
近年躍進著しいという印象の加藤学園は旧チームから残った肥沼俊投手が安定している。米山学監督は、「調子がよくない時でも、どうしていったらいいのかということが出来るようになってきた」と、メンタル要素の成長を評価していた。
東海地区大会でも大垣西に競り勝ち、三重県1位の近大高専には終盤追いつかれながらも延長の末振り切った。県岐阜商には延長10回サヨナラ負けを喫したものの、3試合で427球を投げた肥沼君はスタミナ面も十分ということも示した。明治神宮大会で中京大中京が優勝して東海地区に神宮枠が回ってきた。東海大会の善戦ぶりで、藤枝明誠を抑えて加藤学園が悲願の初選出をされる可能性も高い。
エース高田琢登君が注目されており、名門復活と期待の静岡商は3位決定戦で聖隷クリストファーを下して東海大会に進出。しかし、初戦の津商との試合は4回途中10失点で敗退。突然制球が甘くなり、そこを狙い打たれた。高田晋松監督との親子鷹での甲子園は最後の夏に託すことになった。
公立商の躍進も光った秋だった
この秋、8強まで進んだ沼津東
中部地区予選では静岡商に7対0、東海大静岡翔洋、静清にも1点差で競り勝って1位通過した静岡。夏の甲子園経験者も相場寛太主将はじめ神谷侑征君、城航希君の内野陣や捕手となった関宮楓馬君らを残していた。しかし、県大会では脆さを露呈してしまって加藤学園にサヨナラ負けした。とはいうものの、やはりチーム力はあるだけに、一冬明けた春以降が楽しみだ。
かつて浜松商や掛川西を甲子園へ導いたベテラン上村敏正監督が就任した聖隷クリストファーは、「頭とハートを使った野球」をモットーとしていくことを掲げて躍進。ベスト4に残った。城西裕大君と柴田和輝君の投手陣が軸として、質の高い野球を目指している。
西部地区1位の浜松西は県大会初戦では、夏の準優勝と躍進した駿河総合を退けた。県西部地区を代表する進学校の一つでもあり、21世紀枠代表候補の県推薦校にも選出されている。小柄な左腕内山真一投手の投球術も注目される。
西部地区では、浜松開誠館も面白い存在だ。県大会では藤枝明誠に1点差負けだったが、「自分たちのやるべきことを徹底する」ということでチームはまとまっている。西部3位の常葉大菊川も力はあるが県大会では加藤学園に屈した。春に復活優勝を果たして注目された伝統の浜松商はこの秋も東海大静岡翔洋、東部地区1位の知徳を下してのベスト8に進出。健闘したと言っていいであろう。
東部地区勢では部員17人ながら2位通過で登場した沼津東が県大会でも磐田東を下すなどしてベスト8進出は見事だった。21世紀枠候補の推薦は得られなかったが、東部地区ではナンバー1の進学校といってもいい存在である。また、沼津商も13年ぶりの県大会進出を果たした。島田商も含めて、この秋の静岡県は公立商の健闘も光った。
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記事=手束 仁