拓大紅陵vs千葉商大付
エース・竹内将悟の巧みな投球術で完封勝利!
エース・竹内将悟(拓大紅陵)
好投手・竹内将悟を擁する拓大紅陵。対するは千葉県内で着実に力をつけている実力校・千葉商大附。試合は均衡した投手戦となった。
拓大紅陵はエース・竹内が先発。地区予選で見せた迫力あるストレートで千葉商大附打線を圧倒するのか、と思われたが違う一面を見せた。
多少ヒットを許しながらも、打たせて取る省エネ投球。なかでも光ったのは変化球。右打者に対しては、外角へ逃げていくスライダー。左打者へはタイミングを外したチェンジアップを追い込んでから投げ込み、打者の態勢を崩す。力で押すだけではなく、変化球で躱していく投球術も見せた竹内。
一方で千葉商大附は継投。先発の背番号15・富永健介は小さい体ではあるが、全身を上手く使って相手打者に立ち向かう。ストレートとタテのスライダーを効果的に使い、拓大紅陵打線からアウトの山を築いていく。
その富永から引き継いだ2番手はエース・宮下晃。体を深く沈み込ませながら、態勢を低くして腕を振り抜く。サイドスローではあるが、低く沈み込む分、ボールが時折浮き上がってくるように見せる。
キレのあるボールを投げ込んでいたが、立ち上がりに失点をしてしまいすぐに交代。短いイニングとなってしまい少し残念ではあったが、エースの実力をボールが語っていた。
そして3番手・秋元颯太はワインドアップから始動して、勢いよく体を縦に回転。体の切れを活かして、しっかり回転を掛けた勢いのあるボールを投げ込んでいたのが印象的な投手。背番号7を付けているが3番手で登板し、打者としては4番に座るというところから、チームにおける投打の要を担っている選手なのだろう。これからどんな選手に成長していくのか、春を楽しみにしたい。
試合は4回に拓大紅陵が千葉商大附のミスを突いて先取点を奪う。さらに5回には7番・清田陽紀のヒットでチャンスを作ると、1番・柏木勇人の三塁打で2点目。そして8回にもダメ押しの1点を追加して3対0で勝利。ベスト8進出を決めた。
この試合で2本の長打を放った拓大紅陵1番・柏木を取り上げたい。
ピッチャーの始動と同時に動き始め、ノーステップでタイミングを取る柏木。大きなテイクバックを取らずに、キッチリとミートさせるがパンチ力も持ち合わせる。さらに三塁打を放ったときのベースランニングは11秒前後と足も光るものがある。
俊足巧打の1番が拓大紅陵打線の切り込み隊長して、関東への道を拓いていけるのか。次なる相手は志学館だ。
(記事=田中 裕毅)