和食とPFCバランスの関連とは?
和食はPFCバランスがよく、脂質を抑えてビタミン、ミネラル分などもとりやすい
栄養の話をするときにPFCバランスという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは三大栄養素であるタンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のエネルギー比率を示す指標です。コンディションを維持し、アスリートのパフォーマンスを向上させるために理想的な三大栄養素の割合は、炭水化物(55-60%)、脂質(25-30%)、タンパク質(15-20%)と言われていますが、食事の洋食化が進むにつれてこのPFCバランスは崩れつつあると言われています。
洋食をメインとした食事は脂質を多くとりすぎる傾向があります。肉類やバターたっぷりのパン、揚げ物などが増えるとおのずと脂質も増えてしまいます。脂質ももちろんエネルギー源となりますが、体を動かすときにすぐに使えるエネルギー源は炭水化物です。脂質の摂取量が増えたり、体づくりのためにタンパク質を過剰にとりすぎると、炭水化物の摂取量が減ってしまうことにもつながります。さらに体の調整役として必要不可欠なビタミンやミネラルなども不足しがちになります。
その点、和食を中心とした食事は主食のごはん、味噌汁などの汁物、それにおかずを揃えるだけで、PFCバランスを整えやすくなります。さらに野菜を使った副菜や豆腐、納豆などの大豆製品などを準備するとビタミンやミネラル分も意識的にとることができ、体づくりのためのタンパク質源も増やすことができます。
また和食は生で食べること以外にも茹でる、蒸す、煮るといった調理方法を選択しやすく、余分な脂質をとらないように調整しやすいこともメリットとして挙げられるでしょう。和食を中心とした食事を心がけると、野菜不足におちいりがちなアスリートにとってもコンディションを整えやすくなります。普段の食生活を見直し、脂質を多くとってるかも…というときはぜひ和食中心の食事でPFCバランスを改善しましょう。
文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!
~関連記事はこちらから~
試合のパフォーマンスを支える補食
骨折の種類とカルシウムの必要性
夏のパフォーマンスを支える飲み物とは
遠征や合宿時のセルフコンディショニング