試合レポート

近江vs綾羽

2019.07.25

近江が7回コールドで決勝進出を決める

 連覇を目指す近江が昨夏準優勝の綾羽を7回コールドで下して6年連続の決勝進出。甲子園出場に王手をかけた。

 近江の先発はエースの林優樹(3年)。綾羽打線とは昨夏、今春に続く対戦となったが、いずれの試合も抑えたとは言えない投球内容だったこともあり、「このチームだけは打たれたくない。3回目に自分が打たれたらエース失格だなと思ったので、今日は何が何でも抑えてやろうという気持ちでした」と強い決意を持ってマウンドに上がっていた。

 林は二死から四球を出すも無失点とまずまずの立ち上がりを見せる。対する綾羽は継投で勝ち上がってきたチーム。この日はキレのあるスライダーを投げ込む背番号11の右腕・太田翔士(3年)が先発マウンドに上がった。太田は先頭打者に四球を与えて一死二塁のピンチを招くが、3番・住谷湧也(3年)、4番・有馬諒(3年)の中心打者を打ち取って先制点を与えない。

 初回のチャンスを生かせなかった近江だが、2回裏に一死満塁のチャンスで9番・林が中前安打を放つ。中堅手が左中間よりに守っていたことで打球に追いつけず、ボールが点々とする間に三人が生還して林は三塁まで到達した。

 先制を許した太田はその後のピンチを凌いだが、続く3回裏に先頭打者へ四球を与えたところで降板。2番手に右横手投げの伊藤千也(3年)がマウンドに上がる。近江は伊藤千に対して有馬が安打を放って無死一、三塁とすると、5番・板坂豪太の左前適時打で1点を追加。その後、一死満塁となり、8番・鈴木脩太(2年)が右中間に3点適時三塁打を放ち、リードを7点に広げた。

 苦しい展開となった綾羽だが、3番手で登板した背番号1の左腕・岡田雅英(3年)が変化球を巧みに操って3回1/3を1失点と粘りの投球を披露。味方の反撃を待ったが、最後まで林を攻略することはできずに7回コールド負け。昨夏のリベンジを果たすことはできなかった。

 この日の林は7回を投げて118球、被安打3、与四球3、8奪三振という投球内容。「球数は多かったんですけど、今日の試合が大一番だと思っていたので、抑えられたのが良かったと思います。ストレートのキレがすごく良かったですし、向かっていく気持ちが強かったと思います」と自らの投球を振り返った。

 大会直前は多賀章仁監督や有馬が心配するほど絶不調だった林だが、大会を経るにつれて状態を上げている。「明日は何が何でも自分が投げ抜いて必ず甲子園を決めたいです」と連投が予想される決勝に向けて意気込んでいた。

 有馬主将が率いるこの世代の近江は秋、春の県大会を制して、ここまで県内無敗を続けている。ライバル校が打倒・近江で挑んできた中で常にチャレンジャーの精神で立ち向かい、相手の挑戦を跳ね返してきた。大一番を前にしても有馬は「これまで通り自分たちのやることをやれば自ずと結果はついてくると思うので、明日は自分たちの野球ができるようにしっかり戦っていきたいです」といつものように淡々とした口ぶりで話していた。昨夏に甲子園を沸かせた青のユニフォームが聖地まであと一歩に迫っている。

(文:馬場 遼

近江vs綾羽 | 高校野球ドットコム関連記事はこちらから
第101回 全国高等学校野球選手権 滋賀大会
近江を止めるのはどこだ?滋賀学園、光泉ら力校が追随する!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.24

【関東】25日に準決勝、2戦6発の帝京の打棒が響き渡るか<春季地区大会>

2024.05.24

【岩手】25日に準決勝、6大会連続V狙う花巻東に、創部初4強の水沢商が挑む<春季県大会>

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.25

【長崎】長崎北、長崎日大、創成館などが勝利<NHK杯地区予選>

2024.05.25

【島根】開星、立正大淞南、大社、飯南などが各地区で4強入り<各地区大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商