News

近本光司と辰己涼介 社高校が生んだ2人の新人王候補

2019.07.18

 7月13日に行われたプロ野球オールスターゲーム第2戦。阪神の近本光司が躍動した。初回に先頭打者本塁打を放つと、その後も二塁打、安打と3回までに3安打猛打賞と勢いは止まらない。

 5回の第4打席では惜しくも二塁打となり、迎えた7回の第5打席でみごと左中間を破り三塁打を記録。オールスターゲームでは、古田敦也(元・ヤクルト)以来、2人目となるサイクル安打を達成した。

 その近本は兵庫県の公立校である高校出身だ。同校から関西学院大学から大阪ガスを経て2018年ドラフト1位で阪神に入団した新人。そんな近本がルーキーイヤーに大きな偉業を成し遂げたのである。

同一年度にドラフト1位が複数名は兵庫県の高校で2例目

近本光司と辰己涼介 社高校が生んだ2人の新人王候補 | 高校野球ドットコム
大学時代の辰己涼介

 近本の母校である高は公立高校ということもあり、決して強豪校というわけではない。
 激戦区の兵庫を勝ち抜いて全国高校野球選手権大会に出場した経験はなく、甲子園の舞台に立ったのは、2004年の選抜高校野球に1度出場したのみ。

 しかし、近本と辰己涼介(楽天)と2018年のドラフト1位選手2人を輩出した。兵庫県の高校で同一ドラフトにおいて、複数名の選手が1位指名された例は1980年の兵庫滝川高校が中尾孝義(中日1位)、石本貴明(近鉄1位)のみ。それ以来2例目のできごとだった。報徳学園高校や育英高校といった兵庫県内屈指の強豪校でも、なし得なかった快挙である。

 両選手とも現時点では一軍に定着中しており、近本は「1番・中堅」としてレギュラーの座をほぼ手中に収めた。ドラフト時には長打力に疑問符がついていたものの、ここまでに6本塁打をマークしており不安はなさそう。

 一方の辰己は打順こそ固定されていないが、中堅のポジションで試合に出場し続けている。オコエ瑠偉田中和基といった若手選手たちとのレギュラー争いにおいて一歩リードした格好だ。

 両選手ともにこれからの後半戦で結果を残すことができれば、新人王のタイトルも夢ではない。兵庫県の公立高校から同一年度にセ・パ両リーグの新人王が誕生するのだろうか。両選手の動向を見守っていきたい。

<今シーズン成績>
近本光司(阪神)
85試合/打率.268/6本塁打/24打点

辰己涼介(楽天)
67試合/打率.235/2本塁打/18打点

※数字は2019年7月16日終了時点

(記事・勝田 聡

近本光司と辰己涼介 社高校が生んだ2人の新人王候補 | 高校野球ドットコム関連記事はこちらから
高次元なパフォーマンスは高い意識から 大学No.1外野手・辰己涼介(立命館大)に秘める自己分析力!
『目標』ではなく『決意』の域へ!兵庫県の公立の雄・社が痛感した勝負への姿勢【前編】
「目線は常に日本一へ」兵庫の公立の雄・社が固めた強い決意【後編】
大谷世代の社会人がいよいよプロへ!好選手タイプからドラフト指名候補へ成長した選手たち

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.16

涙の甲子園デビューから大きくレベルアップ!前橋商の192センチの剛腕・清水大暉は、高速スプリットで群馬県大会19回1失点、22奪三振の快投!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.16

【2024年春季地区大会最新状況】全道大会は出場校決定、関東と東海は18日に開幕

2024.05.16

【秋田】秋田修英と秋田工が8強入り、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.16

【秋田】夏のシードをかけた3回戦がスタート、16日は大館鳳鳴などが挑む<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?