盤石の選手が揃う興南を倒すのはどこだ?!対抗馬・北山のブロックは実力校が続々登場!【大会展望・前編】
200回大会へ向けての第1歩目となる101回沖縄大会の抽選会が、11日に行われた。春の優勝の興南が第1シード。以下沖縄水産が第2シード。今年はこの2強の争いになると言われているが、様々なドラマが生じる最後の夏だけは蓋を閉じるまで分からない。
では各ブロックごとに、その展望を見ていこう。
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第101回 全国高等学校野球選手権 沖縄大会
難攻不落のレフティー・宮城大弥を要する興南が盤石のAブロック
U-15に続きU-18候補にも選ばれた宮城大弥(興南)
U-15に続きU-18でも代表候補となった興南・宮城大弥。一年生の夏、決勝のマウンドを任され衝撃的なデビューとなった宮城も遂に最後の夏を迎える。140km後半のストレートは角度があり、打者は簡単には手が出ない。加えて内外角に決まる制球力と、テンポの良さ、走者を出してからギアが変わるマウンド度胸と捌き。牽制の巧さなどなど。穴も隙も無い最強レフティー。まさに難攻不落の城といった感じだ。
その宮城。春の準決勝北山戦では26人から9個の三振。決勝の沖縄水産戦では37人から12個の三振を奪った。この2試合、計18イニングを投げて自責点は1。招待野球で来沖したセンバツベスト4の明石商打線も、宮城の前には沈黙した。
打線では宮城とともに一年生から主戦として出ている根路銘太希と、春の大会で20打数9安打の2年生・西里颯が斬り込み役を担う。勝連大稀、宮城、遠矢大雅と続くクリーンアップも経験値が多く、最後の夏だからこそ、ここ一番という場面では頼りになるだろう。
成長著しい2年生・比屋根秀斗のパワフルな打撃にも注目だ。盗塁数も春の4強の中では興南が一番多く、機動力を含めた我喜屋監督のタクトに合わせてナインが自由自在に動けるのも強み。春は主に先発を任された左腕又吉航瑶と、右腕西江悠のピッチングもカギとなる。
その打倒興南として注目されるのが次の3校か。秋ベスト8の具志川商と宜野湾、春北山と接戦した糸満だ。春、嘉手納打線をゼロ封した好投手左腕・宮城凌我率いる宮古工も面白い存在。その宮古工とあたる浦添商も、春敗れた興南にもう一度当たるチャンスをもらえたと考えればナインの士気も上がる。宮古工の宮城を仮想興南の又吉、仮想興南の宮城として攻略出来れば面白い。
[page_break:Bブロックは北山が頭一つリード!追いかけるのは嘉手納に中部商]Bブロックは北山が頭一つリード!追いかけるのは嘉手納に中部商
北山を支える金城洸汰
Bブロックでは、一年生大会で準優勝し、去った春の大会準決勝で、興南をあわやというところまで追い詰めた北山が頭一つリードか。Wエースの金城和尋から金城洸汰への両右腕の系統はすっかり馴染みとなった。
金城和は春、19回と2/3イニングを投げ15奪三振自責点2。防御率は0.76と安心して見ていられる。金城洸は興南戦で終盤の7回と2/3イニングに登板し、打者28名に対しヒット僅か5本に抑え王者を苦しめた。
準々決勝までのチーム打率は.304。まずまずだが、甲子園を目指すならあともうひと脱皮ほしい。金城洸、山﨑慎之介らクリーンアップを中心とした成長を、この夏で見せられるか!?
春、普天間と接戦を演じた那覇が北山初戦の相手。試合巧者振りを発揮して北山ナインに焦りを生ませれば面白い。その勝者と2回戦でぶつかりそうなのがエース吉山朝陽率いる美里工。その美里工は春、知念と1点差ゲームを演じており、沖縄市の招待野球で訪れた日大三(東京都)ともサヨナラで敗れた1点差ゲーム。伝統となった後半の勝負強さが現ナインにもう一歩増し加われば十分優勝も狙える。この3校の対戦は、最後まで目が離せないだろう。
秋ベスト4の嘉手納が、このブロックでは打倒・北山の一番手か。チーム投打で柱となる親泊泰誠、石川銀、平典士の力は県内でもトップクラス。2016年の夏に甲子園を決めた嘉手納を見て後を追ってきた彼らも最後の夏を迎える。足元をすくわれた春からのリベンジに燃え、3年振りの聖地行きを決められるか。
春ベスト8の中部商は前チームから主力の小濱佑斗に注目。那覇商−未来沖縄のカードはこのブロックの好カード。部員は少ない首里東だが、球威を増した新垣優人と足もパワーもある切り込み隊長砂川海斗の存在は、他校にとって脅威だろう。
残りのブロックの展望は14日に公開予定です!お楽しみに!!
文=當山雅通
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