筋けいれんへの対応
突然足がつってしまうとあわててしまいがち。あせらずに対応しよう。
試合中に急に足がつった(筋けいれん)という経験のある選手もいると思います。足がつってしまうと激しい痛みで動くことができなくなり、あわててしまうと思いますが、落ち着いて対応しましょう。
【どうして足のけいれんが起こる?】
筋けいれんは試合後半になるにつれて、筋疲労や脱水による血液中の電解質バランスの乱れ、冷えることによる血行不良などによって起こります。発汗の多い時期になると水分とともにミネラル分も汗とともに失われるため、さらに足がつりやすくなります。試合による緊張や人工芝による体への負担なども筋けいれんの一因となります。
【足がつったら、息を吐きながらストレッチ】
足がつってしまったら、あわてずにまずゆっくりと息を吐きながら筋肉を伸ばしましょう。息を吐くと自律神経の一つである副交感神経が刺激され、筋肉をゆるめようと働きます。自分一人でできないときは周りの人に協力してもらいながらストレッチを行います。しばらくしていると細かく収縮していた筋肉が正常な状態に近づきますので、そこまで時間をかけながら筋肉を伸ばしましょう。またつった筋肉をさすって温めることも血流改善につながります。
【一度つってしまうと繰り返しやすい】
試合中であれば応急処置をした後に試合に復帰することもあると思いますが、筋肉がけいれんした原因を取り除かないと、また同じように筋けいれんを繰り返してしまいます。脱水による電解質バランスの乱れであれば、失った水分やミネラル分を補うことによって改善することが見込まれますが、体に吸収されるまでに時間がかかるため、無理してプレーを続けることは禁物です。
筋けいれんは筋肉が細かく収縮を繰り返した状態で、筋線維には細かいキズができています。これを修復するために分泌される物質によって痛みを感じるのですが、痛みが強い場合はプレーを中止し、患部を氷などで冷却するRICEを行いましょう。
文:西村 典子
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