藤川球児、渡辺直人らが躍動 まだまだ現役「松坂世代」の今シーズン
5月8日に行われた楽天対ソフトバンクの試合において、渡辺直人(楽天)が終盤に試合を振り出しに戻す貴重な本塁打を放った。渡辺はここまで1本の安打も出ていなかったが、ここぞの場面で値千金の一撃。この同点弾が、2試合連続となるサヨナラ勝ちへの扉を開いた一発と言ってもいい。
その渡辺は1980年10月生まれの38歳。そう、「松坂世代」(1980年4月2日〜1981年4月1日生まれ)の一員なのである。
藤川球児は全盛期をも凌ぐ奪三振率
松坂世代の藤川球児と館山昌平
楽天の渡辺を含め今シーズンNPBに所属している松坂世代は8人と数少ない。そのなかで一軍の試合に出場したのは渡辺、藤川球児(阪神)、實松一成(日本ハム)の3人のみ。
松坂をはじめその他の5人は故障などの理由もあり、いまだ一軍での出番は巡ってきていないのである。
そのなかで最も結果を残しているのは藤川だろう。矢野燿大監督体制となった今シーズンは抑えの構想もあったほど状態は良かった。シーズンが始まってからは抑えの役割ではなくセットアッパーに繋ぐ役割となったが、ここまで9試合で防御率3.00はまずまずの数字。
失点したのはわずかに1試合のみ。4月27日以降は6試合連続無失点と阪神の中継ぎを支えている。
それだけではない。9回を投げ16三振を奪っており、奪三振率16.00。これはキャリア最高となっている2011年の14.12をも凌いでいる。7月に39歳となる選手とは思えぬ活躍である。
實松は清水優心が離脱していたおよそ1ヶ月間を一軍で過ごし5試合に出場。安打こそでなかったが、控え捕手としてチームに貢献していた。
開幕から1カ月以上経過したが、その他の松坂世代の選手たちに一軍での出場機会は訪れていない。しかしシーズンは長い。どこかで必ずベテランの力が必要になるときはあるだろう。そのときに満を持して一軍昇格を果たすことに期待したい。
<松坂世代の現役選手>
※NPB所属
渡辺直人(楽天)
6試合/打率.200/本塁打1/打点1
藤川球児(阪神)
9試合/1勝0敗3H/9回/奪三振16/与四球7/防御率3.00
實松一成(日本ハム)
5試合/打率.000/本塁打0/打点0
松坂大輔(中日)
・一軍出場なし
久保裕也(楽天)
・一軍出場なし
永川勝浩(広島)
・一軍出場なし
和田毅(ソフトバンク)
・一軍出場なし
館山昌平(ヤクルト)
・一軍出場なし
※数字は2019年5月12日終了時点
文=勝田聡