Interview

果敢なプレースタイルは地に足着いた自己分析力から 家入丞(大阪狭山ボーイズ)

2019.04.18

 3月21日、[stadium]大阪シティ信用金庫スタジアム[/stadium]にて、ニューバランスプレゼンツ 第10回関西ボーイズブロック支部対抗オールスター大会の開会式が行われ、その中で参加選手たちが様々なアクテビティに挑戦する「ニューバランスチャレンジ」が行われた。

 大阪阪南支部の代表として参加した家入丞は、同地区の代表選手の中でも特に注目度の高かった選手だ。かつて川端慎吾(東京ヤクルトスワローズ)や北條史也(阪神タイガーズ)、田村龍弘(千葉ロッテマリーンズ)が所属していた大阪狭山ボーイズで、4番・遊撃手を任されている家入は、偉大な先輩にも劣らない高い技術を誇っている。
 今回はそんな家入にインタビューを行い、大阪狭山ボーイズでの成長や高校野球での目標を伺った。

家入の魅力を引き立たせる「いい意味でのギャップ」

果敢なプレースタイルは地に足着いた自己分析力から 家入丞(大阪狭山ボーイズ) | 高校野球ドットコム
第10回関西ボーイズブロック支部対抗オールスター大会に参加した家入丞(大阪狭山ボーイズ)

 大阪狭山ボーイズへの入団理由として、自宅からの近さや指導者のレベルの高さを挙げた家入だったが、本音を辿っていくと、大阪狭山ボーイズの偉大なOBである北條史也選手と田村龍弘選手への憧れがあったことを明かした。

 「(北条選手と田村選手の甲子園の活躍は)ずっと見ていました。特に北条選手の、バックスクリーンへのホームランが印象に残っています」

 空き時間には仲間とじゃれ合う様子を見せ、明るくおしゃべりな性格を感じさせる家入であったが、いざインタビューを始めると、真剣な眼差しで自身の持ち味や具体的な将来の展望を熱く語る。そのいい意味でのギャップに、大きな魅力を感じさせた。

 「今は4番を打たせてもらっていますが、正直言うと4番のタイプではないと思っています。活躍してる選手でいうと、藤原恭大選手(千葉ロッテマリーンズ)のように、長打も打てて広角にも打てる選手になりたいと思っています。自分としては、一番を打ちたいと思っているので」

 また家入を語る上で、果敢な守備力も欠かせない。家入自身が「前に出る力」と表現するように、積極的に前で勝負に行く守備力は、見るものを引き込み、チームに勢いを与えることが出来る。課題も多いと語る家入だが、その一方で積極的な姿勢は持ち味として消したくない部分であることも強く口にする。

 「今の課題は、イレギュラーバウンドへの対応です。バウンドが変わった時でも、すぐに対応できるようなグラブさばきが必要だと思っています。失敗を恐れずに、もっともっとも練習していかないと駄目ですね」

[page_break:高卒ではなくあえて大卒でのプロ入りを狙う理由]

高卒ではなくあえて大卒でのプロ入りを狙う理由

果敢なプレースタイルは地に足着いた自己分析力から 家入丞(大阪狭山ボーイズ) | 高校野球ドットコム
家入丞(大阪狭山ボーイズ)

 そんな中で家入が、自身の最大の課題として挙げたのが「メンタル面」だ。
 試合前になるとやはり緊張で硬くなることが多いと語る家入。練習通りのプレーが試合で発揮出来ないことも多々あるため、家入はどんな場面でも確実に自分の実力が出せるように、普段の練習から心がけていきたいと話す。

 「そのために必要なことは、より試合を想定して練習を行うことだと思います。
 バッティング練習や守備練習の時は、状況をより深く考えて、試合のような緊張感をもって動いていくしかないと思っています」

 正しく自己分析を行い、分析した内容を踏まえて行動を起こしていく。こうした思考力も、家入の魅力の一つであるのだ。

 そんな家入も、将来はプロ野球選手として活躍したいと大きな目標を掲げている。
 中学野球の選手の多くは高卒でのプロ入りを目指すが、何と家入の場合は大学進学後のプロ入りを目標に掲げている。その理由にも、家入ならではの思考力が垣間見えていた。

 「高校から直接プロに行くよりも、大学からプロに行った方が活躍できる確率が高い印象を持ったからです。プロに入ったら、やっぱり1年目から活躍したいと思っているので、それに向けて野球の勉強もいっぱいしたいと思っています」

 理由が明快であるところも好印象だ。明朗かつ聡明な家入の活躍を、これからも追いかけていきたい。

文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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