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茨城の春が開幕!県大会へ進むのは?4地区の戦力を徹底分析!

2019.04.13

 4月11日に春季関東地区高等学校野球茨城県大会地区予選の組み合わせ抽選が行われた。昨秋の県大会でベスト4に残った常総学院藤代石岡一水城は地区予選が免除され県大会からの出場となる。地区予選は13日から4地区で行われ16日には県大会出場チームが決定する。それでは各地区の展望について触れる。

注目選手がそろう県北地区

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強打の4番・高橋隆慶(明秀学園日立)

 県北地区からは昨秋県大会でベスト8に1校も残らなかったため、予選免除のチームはない。出場21チームで8つの地区代表枠を争う。

 中でも明秀学園日立、日立一佐和磯原郷英の力は地区で突出しており注目選手がそろう。明秀学園日立は強打の4番・高橋隆慶や俊足好打1番・の垣入武尊(2年)を中心に例年どおり打撃の層が厚い反面、投手は絶対的エースが不在だ。 

 秋に5試合で48得点を挙げた常総学院が最も抑えられたのが県大会初戦で対戦した日立一だ。右サイドの二瓶真斗(2年)が変化球中心の特殊な組立てで1対5の好ゲームを演じた。佐和は長身右腕の黒田晃大(2年)が130キロ台後半の速球を武器に昨秋県大会初戦で水戸啓明を完封。竜ヶ崎一には1失点だったものの打線の援護がなく3回戦で散った。冬を越えてどれだけ成長したか楽しみな逸材だ。磯原郷英は右腕の早川光が小気味のよい投球で打者を打ち取る。

 そのほかに多賀は順当に勝ち上がれるか。太田一ゾーン、日立北ゾーン、日立商ゾーンは混戦が予想される。昨秋代表決定戦で佐和を追い詰めた茨城キリストは順当にいけば代表決定戦で日立一と対戦する。綿引翔(2年)と綿引駿日立一)の兄弟の投げ合いが実現しそうだ。

常磐大高と水戸商が筆頭の水戸地区

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最速140キロを超える鶴見凌也(常磐大高)

 水戸地区からは昨秋県大会でベスト4に残った水城が予選を免除され、出場23チームで8つの地区代表枠を争う。

 昨夏からの中心選手が残る常磐大高水戸商は地区でも抜けた力を持っている。常磐大高は昨秋、最速140キロを超える鶴見凌也が背番号2ながら投手として躍動。急造投手として投手の軸となった。同じく水戸商も背番号2で4番を務める小林嵩が速球を生かしたクローザーとしてマウンドに上がる。主戦投手の大津昌熙は130キロ前半のストレートを投げ込むまとまりのあるタイプだ。

 波崎柳川は1年春から登板実績のある小原凜(2年)や齋藤駿(2年)を中心に投手陣が安定している。鹿島学園は1番・島田翔悟の出塁が鍵を握る。水戸啓明は元プロ野球選手でコーチとして田中将大投手を指導した紀藤真琴氏が今年1月から監督に就任し公式戦初采配となる。

 水戸工ゾーンと水戸桜ノ牧ゾーンは力が拮抗している。水戸桜ノ牧は右腕の金井堅がコントロールよく内外に投げ分け打たせて取る。水戸一は1年夏からマウンド経験がある佐次泰晟(2年)は制球力があるものの球威が今ひとつ。ランナーを背負った場面で凌ぎきれるかが勝負の分かれ目だ。

[page_break:竜ヶ崎一と東風のカードと土浦湖北ゾーンは県南地区屈指のカードが揃う]

竜ヶ崎一と東風のカードと土浦湖北ゾーンは県南地区屈指のカードが揃う

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140キロ右腕・福浦太陽(霞ヶ浦)

 県南地区からは昨秋県大会でベスト4に残った常総学院藤代石岡一が予選を免除され,出場21チームで8つの地区代表枠を争う。

 鈴木寛人福浦太陽の140キロ右腕2枚看板を擁する霞ヶ浦は順当に勝ち上がりそうだ。打撃陣は新チームになって例年より層が薄くつながりに欠けていたが春はどう立て直してくるか注目だ。土浦日大は左腕エース荒井勇人と右腕・中川竜哉に安定感があり接戦に強い。打線は主将の石渡耀を中心にスイングが鋭い。対する土浦一は長身右腕の古宮学樹が勢いのあるボールを放り,小柄ながら体の分厚い佐野翔には1発がある。

 竜ヶ崎一と東風のカードと土浦湖北ゾーンは県南地区屈指のカードが揃う。竜ヶ崎一は1年秋から主戦登板している幸山耀平が年を追うごとに球威が増しており、昨秋8強入りの立役者となった。対する東風は最速140キロに迫ろうかというエース右腕・佐賀叶典を擁する。佐賀は雄叫びを上げながら気合いの入ったボールを投じるが秋の時点では制球力が課題だった。修正次第では竜ヶ崎一を倒しても不思議ではない。

 土浦三は昨年の県南選抜大会と県南地区予選の両方で竜ヶ崎一に1点差で敗れたが、県大会で勝ち進む力は十分にある。長身右腕のエース濱崎鉄平は大きなフォームから最速138キロのキレのあるボールを放る。東洋大牛久は最速141キロを誇る本格派左腕・石上祐介を擁する。石上も春の県大会で話題を独占しても不思議ではない逸材だ。

県南地区は下妻二に注目選手が揃う

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強打が持ち味の山口愛翔(下妻二)

 県北地区からは昨秋県大会で7代表のうち守谷が挙げた1勝が唯一の勝ち星となった。予選免除のチームはなく出場21チームで8つの地区代表枠を争う。なお岩瀬石下紫峰三和岩井坂東総合が5校連合として出場する。

 下妻二は昨秋県大会初戦で明秀学園日立に敗れたが、投手は左腕の海老原仁が制球重視で打者の裏をかく投球がうまい。打者は山口愛翔(2年)や青木ビクター達哉ら力のある選手がそろっている。

 昨年の県西選抜大会(下館一の勝利)で接戦を演じた下妻一下館一が同じゾーンに入り順当に勝ち上がれば見応えのある一戦になりそうだ。下妻一は昨夏、Cシード水城を破った。その原動力となったエース右腕の加藤孝太郎はスライダーをうまく使い打たせて取る技術に優れる。下館一は左腕の塚原健志が球威をつけており、豪快なホームランがある倉持純の打撃にも期待がかかる。

 つくば秀英は右腕・吉田青矢が140キロに迫るストレートで打者をねじ伏せる。

(文=伊達 康

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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