Column

日本男子プロ野球初導入「7イニングス制」を考える

2019.03.28

 2007年2月に首都圏から居を四国地区に移し13年目。「さすらいの四国探題」の異名を背に四国球界でのホットな話題や、文化的お話、さらに風光明媚な写真なども交え、四国の「今」をお伝えしている寺下友徳氏のコラム「四国発」。

 第40回では3月30日(土)に15年目のシーズンが開幕、日本独立リーグの先駆者である「四国アイランドリーグplus」において日本男子プロ野球界初導入される「7イニングス制ゲーム」について、現場の監督・選手の話も交えながら考えていきます。

四国アイランドリーグplus、国際大会に先駆け「7イニングス制試合」導入

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ドラフト解禁年を迎える徳島インディゴソックス・岸潤一郎

 野球の原理原則の1つである攻撃と守備の回数。プロを含め全てのカテゴリーで7イニングス制が導入されている女子野球と異なり、男子の野球は高校生(U-18)以上になると「9イニングス制」に移行する。これが日本のみならず世界の常識でした。これまでは。

 しかし「2時間ごと」が伝統的なTV放送枠や高温化現状の問題等々により、試合時間2時間を超えることが確実な9イニング制は、もはや大きな岐路に立っているといっても過言ではありません。

 すでにWBSC(世界野球ソフトボール連盟)は今年1月、2020年以降のU-23W杯と2021年以降のU-18W杯での7イニングス制導入を決定。来年の東京五輪や今年のプレミア12、WBCといったフル代表同士の戦いは当面9イニングスですが、これも早晩見直しの議論が見込まれます。

 そして2019年3月、日本独立リーグの先駆者であり、今年15年目のシーズンを迎える「四国アイランドリーグplus」は、そんな時流を見据えNPBに先駆けて大きな決断を下しました。それがリーグ内チーム同士の対戦における雨天代替試合、ダブルヘッダー時、7・8月に設定されたリーグ戦各チーム指定3試合における「7イニングス制導入」です。

 その経緯と詳細は四国アイランドリーグplusの公式HPを見ていただくとして、ここで気になるのは「7イニングス制導入で野球はどのように変わるのか?」ということ。そこで私は現場の声を聴くため、3月14日(木)徳島インディゴソックス対愛媛マンダリンパイレーツのオープン戦が開催される[stadium]オロナミンC球場[/stadium](徳島県)へと足を運んでみました。

[page_break: 投手起用・試合の仕掛けに大きな変化か?今後に期待]

投手起用・試合の仕掛けに大きな変化か?今後に期待

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7イニングス制について選手目線で語った愛媛マンダリンパイレーツ・正田樹

 まずは選手側の声はどうか。ここは37歳の大ベテランに聴くことにしました。愛媛マンダリンパイレーツ・正田 樹投手。1999年夏・桐生第一(群馬)で甲子園優勝投手。

 日本ハムファイターズドラフト1位入団後、国内外のチームで実績を残し、今も様々なアプローチで自らを高めようとしているサウスポーの求道者は、「はじめから7イニングス制となれば自分ではより完投を意識すると思います。特に連戦が続いていれば先発5~6回では物足りない部分もあるでしょうし、気持ちは高く持ってマウンドに上がります」と、メンタル的なところから7イニングス制導入による変化を語ってくれました。

 では、指導者の立場としてはどうでしょう。昨年末、「NPB12球団ジュニアトーナメント2018 supported by 日能研」で東北楽天ゴールデンイーグルスジュニアチーム監督として7イニングス制の指揮を実際に経験。チームを12大会ぶり2度目の優勝に導いたのを手土産に今季、徳島インディゴソックスでの指揮にチャレンジする牧野 塁監督はこう話します。

 「試合の仕掛け方に変化はあると思います。攻撃でもより先制点・追加点の重要性は増すでしょうし、先制点を与えず『点を取る』要素が高くなる。投手起用もその時の状況によりますが、投手をつぎ込みやすいことは確かなのでリリーフを早めに送る試合も出てくるでしょうね」

 2人の話を総合すると「よりアグレッシブな」試合が期待できそうです。

 さて、3月30日(土)に開幕する四国アイランドリーグplusで、日本男子プロ野球史上初の「7イニングス制」はいったいいつになるのか?そして、どのような変化を野球にもたらすのか?四国の地で鍛え、NPBへの扉をこじあけにいく男たちの闘いと共に、今年は「新しい野球」の誕生も心待ちにしたいと思います。

(文・寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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