Column

開成(東京)「基本の大切さを考える」常に明日が大会のつもりで!

2019.02.26

隙間の時間は見逃さない!超効率性を重視!


真剣な眼差しで話を聞く選手達

■「ペンは剣よりも強し」を唱える開成高校

 東京都荒川区に位置する開成高校は、最寄りの西日暮里駅から歩いて5分もかからない場所に位置する。中高一貫校であり倍率は3倍近い数字の中で、毎年多くの受験者が開成高校の門を叩く。国公立大を目指す生徒が多く、昨年は現役だけで116人もの東大合格者を輩出している。

 硬式野球部は、2014年に放送されたドラマ「弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」のモチーフにもなっている。他部活では、高校生クイズなどでお馴染みのクイズ研究部などの部活動が活躍。

■野球部の紹介

 現在2年生13人、1年生17人の計30名在籍。他の部活動との共用のため、週1日程度しかグラウンドを使用できない。且つレフトが非常に浅くなっており、すぐ裏には山手線線路があるため竹バットを使ったバッティング練習など、工夫を凝らしながら練習に励んでいる。

■新チームが始まってもっとも印象に残っていること

 秋季都大会予選で都立墨田工業高校との試合。この試合は、最初から最後まで気が抜けない試合であった。先に相手に先制点を与えたものの、試合の中盤で追いついてみせた。その後は、お互いに勝ち越しては追いつきの繰り返しで試合が進んでいったが、終盤にホームランで逆転に成功。しかしその後に、佐藤和真主将がピッチャーとして登板すると相手に再び逆転を許し、10対8で負けてしまい、「自分の力の無さを思い知りました」と佐藤主将は肩を落とした。

 佐藤主将は、「練習試合でも勝てない時期が続いた。もっと青木先生の声を自分がグランド内外で伝えていかないといけないと感じました」と話す。夏の大会では声が届かないことは経験しているだけに、常に声の伝達を意識していると語ってくれた。

■新チームを引っ張ってきた選手は?

 佐藤和真主将は、田丸慶次八木晋太郎内田開智の3名の選手を挙げた。

 田丸選手は、チームのリードオフマン的な存在でバッティングに自信のある選手。コンスタントにヒットを打ち、ホームランも打ってくれる打線のキーマンである。八木選手はショートとしてチームを引っ張り、試合では堅実な内野守備を見せてくれた。そして内田選手は、キャッチャーとして投手陣をリードする。一方でバッティングでは、3番に座り秋の大会では多くのヒットを量産した。

 この3選手には春夏のキーマンとしても期待を寄せており、秋季都大会予選で敗れた悔しさを全員が意識して練習に取り組んでいる姿が印象的であった。

■この冬の意気込み!

 「下半身を強化していき春までには、球速を140㎞まで上げたい。そのためには、下半身強化だけではなく、ストレッチも重視していきたい。」と語ってくれた佐藤主将。練習時間や練習環境が限られた中で、自宅での練習をもっと内容のあるものにしたいと語ってくれた。

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攻撃こそ最大の防御!もっと点を取る意識を上げる


テニスボールを打つ開成高校の選手たち

 ここからは開成高校の1番を打つ田丸慶次選手と青木監督から高い統率力があると評価されている外野手の丸澤勇介選手にお話を伺いました!

Q.秋の大会や練習試合が終わって見つけた課題を教えてください。

田丸:1つのチャンスをものにできる集中力が課題です。
丸澤:技術向上はもちろんだが、点を取ることへの執着心を強く持つことです。

Q.このオフシーズンの目標、個人的に強化したいことを教えてください。

田丸:飛距離アップに向けて、竹バットで振り込んでいます。
丸澤:ウエイトトレーニングや食事の量を増やし、フィジカルの強化を行いたいです

Q.応援する方々へ自分のここを見てほしいというのを教えてください!

田丸:打球の鋭さ!!
丸澤:チームを盛り上げる声や指示の声を積極的に出している姿です!

Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところ ですか?

田丸:練習の時に、各自が課題を持って練習に取り組んでいるところです。
丸澤:守備で多少のミスが出ても。それを上回る点数を取ればいいという割り切りがある!

Q.このオフシーズン、『自分はここまで成長するぞ!』と、いうこの冬の熱い宣言を最後 にお願いします!

田丸:試合でもっと長打が打てるように頑張ります!
丸澤:自分の力で、チームを勝利に導けるように練習の段階から試合を想定して、意識を高く持って取り組みます!

 田丸選手、丸澤選手、ありがとうございました!

[page_break:常に明日が大会!今日で一気に上手くなる気持ちが大切!]

常に明日が大会!今日で一気に上手くなる気持ちが大切!


青木 秀憲監督

  青木秀憲監督にお話を伺いました!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 特に毎年テーマは決めておりません。ただグランドを使える回数が全然少ないので、効率性を求めて全員がボールに触る回数を増やしています。
なので、うちはノックをせずに2人1組になって、手で転がしたボールを取ることで効率よく練習をして待ち時間を作りません。そうやって週に1回練習の中で、投げる・打つ・守るの基本中の基本が出来なければ、戦術もチームカラーも全く意味を持ちません。ですので、野球に最低限必要となる基本技術習得にこだわっています。

 あと、毎年一戦一戦を戦うという気持ちでやっていますが、今日一気に上手くなるぞ!という気持ちを持つことが大切だと思っています。

Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 週に1回しか野球の出来ないチームには、夏も冬もない。野球ができる時間をとにかく大切にして基本技術の習得にこだわれ!
常に明日大会をやるつもりで、練習しよう。開成には、冬のオフシーズンなどない!

 青木監督、そして開成高校野球部の皆様、ありがとうございました!

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今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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