富岡西(徳島)創部120年目で歓喜の初聖地!
胴上げされる小川浩監督
「春のセンバツ」の名で日本国民に親しまれ、今大会は平成最後の甲子園大会としても注目される3月23日(土)より4月3日(水)の予定で兵庫県西宮市の[stadium]阪神甲子園球場[/stadium]で開催される「第91回全国選抜高等学校野球大会」。その出場32校を決める選考委員会が1月25日(金)に大阪府大阪市内で行われ、21世紀枠の西日本枠で創部120年目を迎える徳島県立富岡西高等学校が、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。
1896年開校、日本ばかりでなく世界各国にOB・OGが点在する徳島県南部の伝統進学校に待ち望んだ瞬間が訪れたのは選考委員会の出場校発表が始まった直後であった。
数多くの報道陣と学校OB・OGに阿南市「野球のまち推進課」関係者、そして同校野球部OBでもあり、22歳で秋季四国大会出場を果たした青年指揮官時代から甲子園の夢を描いていた小川 浩監督らが校長室をうずめる中、富岡西・吉田 光昭校長の電話が鳴ったのは15時2分のこと。「ありがとうございました。謹んでお受けいたしたいと思います」と吉田校長が電話に応対すると同時に、校長室内には「やった!」という声と拍手がいっぱいにこだました。
その後、吉田校長は15時30分過ぎ、授業を終えてグラウンドに集まった部員たちを前に「君たちが努力してきたことと同時に地域に貢献してきたことも出場の理由評価になっています」と出場理由を報告。これに対し、最初は喜びの出し方を戸惑っていた部員たちも写真撮影が進むにつれて躍進の原動力となった順応力を発揮。小川監督の胴上げや校舎中庭における帽子投げの際は満面の笑みで創部120年目での悲願達成を表現していた。
なお、小川監督と主将の坂本 賢哉(2年・右翼手)、高校通算15本塁打もマークする最速140キロ右腕・浮橋 幸太(2年・投手)のコメントは以下の通り。今後、チームはこれも大きなストロングポイントである「選手主導」の中でディフェンスを中心に甲子園初出場初勝利への方策を探究。3月9日(土)に兵庫県内で行われる滝川第二との対戦をスタートに、3月10日(日)は岸和田(大阪)、16日(土)は脇町、17日(日)は市立堺(大阪)といずれも阿南市内開催予定の練習試合を通じ、その精度をさらに高めて聖地へ乗り込んでいく。
喜びを爆発させる富岡西ナイン
富岡西:小川 浩監督
甲子園出場は素直にうれしいです。胴上げされているときは一昨年の秋に県大会準決勝・3位決定戦で連敗したことや、昨年夏の徳島大会準決勝で鳴門に9回裏、4点差をひっくり返されたことなど過去の悔しい負けが思い浮かびました。僕自身もそういったことがあって買われた部分もあるし自分で日々の記録を付けるなど自分を客観的に見れるようになった。秋は「その時の3年生の分までやるんだ」と思っていたし、守備力を強化して速い打球を止められたことで持ち味を出して戦えたと思います。
念願の初出場なのでぜひ1つは勝ちたい強い想いはあります。ポイントは「積極果敢な仕掛け」あっと思わせることをやっていきたいし、それを選手たちがやってくれたら面白いと思います。
富岡西主将:坂本 賢哉(2年・右翼手)
出場は素直にうれしいし支えて頂いた皆さんに感謝です。自分たちの力だけではここまで来れなかったし、人に恵まれました。ただ、これからは全体の意識を甲子園に対してもっていかなくてはいけない。気持ちを明確に持ってやっていきたいです。
1月末から取り組んでいる殖栗 正登トレーナーのトレーニングは野球に必要な動きや筋肉を教えてもらっているので、みんなのモチベーションが高まっています。目標はベスト4ですが、皆さんのために結果を残したい。校歌を歌いたいですね。
富岡西:浮橋 幸太(2年・投手)
四国選抜でオーストラリア遠征に行った後は腕も振れて指にボールがかかる感覚も得ている。また、殖栗 正登トレーナーにしてもらった体力測定で筋力系の弱さも解ったので、そこは股割りなどで柔軟性を出していきたいです。
そして阿南市は「野球のまち阿南」を掲げていて、僕らも雨の日には室内練習場(JAアグリあなんスタジアム隣接のあななんアリーナ)を使わせてもらったり、昨年にはセンバツ北信越代表合宿で来ていた日本航空石川との対戦も経験させてもらっている有難い環境を与えてもらっています。阿南市からの甲子園は久しぶり(1992年春、1996年夏の新野以来)ということもあるので、しっかりプレーをして勝利で恩返ししたいです。
取材=寺下 友徳
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