石川、野村に注目!第91回選抜逸材ガイドブック!【東日本野手編】
愛知県出身のスラッガーと3人のショートストップはドラフト候補として期待
左から野村健太(山梨学院)、石川昂弥(東邦)、内海貴斗(横浜)
平成最後の選抜となる第91回選抜高等学校野球大会の出場32校が決まった。引き続き東日本の野手を紹介していきたい。
■要注目野手リスト
石川 昂弥(東邦)
野村 健太(山梨学院)
武岡 龍世(八戸学院光星)
森 敬斗(桐蔭学園)
熊田 任洋(東邦)
村田 賢一(春日部共栄)
今年の東日本の野手は愛知県出身の野手が多い。今年の世代ではトップレベルの逸材として期待される石川 昂弥(東邦)は愛知知多ボーイズ、野村 健太(山梨学院)は愛知衣浦シニア。野村によるとやはり石川のことは意識しているようだ。
まず石川だが、愛知県選抜として遠征したオーストラリア遠征でも本塁打を放ち、高校通算39本塁打に到達。芯でとらえればあっという間にスタンドインさせる脅威の長打力、抜群の強肩を見せる三塁守備と魅力的。さらなるステップアップへ向けて技術的な追求を行い、隙の無い打者へ進化し、人々を魅了する三塁守備を見せてほしい。甲子園のファンを熱狂させる実力は十分に備わっている。
野村はここまで高校通算34本塁打。風貌からデスパイネ(ソフトバンク)に似ているといわれるが、打撃スタイルは前捌きで打ち返すデスパイネと違って、野村は捕手寄りのポイントで打ち返す選手。山梨学院グラウンドでたびたび高いネットを超えて、橋のほうまで飛ばす打球を放つという。高いステージでプレーすることを狙っている野村にとっては勝負の春となる。
左から森敬斗(桐蔭学園)、村田賢一(春日部共栄)、武岡龍世(八戸学院光星)、熊田洋任(東邦)、
東日本は注目野手が多く揃う。神宮大会で特大の本塁打を放った武岡龍世(八戸学院光星)は走攻守でバランスが取れた遊撃手。丁寧にプレーができる選手で、同校では久しぶりに高卒プロを狙える野手だろう。
関東大会で逆転サヨナラ満塁本塁打含む大活躍した森 敬斗(桐蔭学園)は三遊間の深い位置からでもストライク送球ができる強肩を売りとする。細身のように見えるが、関東大会では3本塁打を放ったように、高校時代の茂木栄五郎を彷彿とさせるバッティングを見せてくれる。甲子園でスターとなれるか。
また熊田任洋(東邦)は、高校通算15本塁打を誇るショートストップ。決して体は大きくないが、常に芯でボールを捉えることができる打撃技術があり、感性が鋭く、タイミングの取り方を工夫している。肩の強さを生かした遊撃守備が光る。
村田 賢一(春日部共栄)は最速146キロのストレート、多彩な変化球を投げ込む本格派右腕だが、魅力は破壊力抜群のバッティング。関東大会では及川雅貴(横浜)が投げ込んだストレートをレフトスタンドに持っていた打撃は脅威だった。
次ページではブレイク候補の野手を紹介したい。
石崎、山瀬といった強肩捕手 1年生ショートの角田・内山にも注目!
左から角田勇斗(習志野)、内山壮真(星稜)、北本壮一朗(札幌大谷)、石﨑聖太郎(春日部共栄)山瀬慎之助(星稜)
■注目野手リスト
北本壮一朗(札幌大谷)
石鳥 亮(札幌大谷)
伊藤 大将(八戸学院光星)
太山 晧仁(八戸学院光星)
岡田 光輝(盛岡大附)
平賀 佑東(盛岡大附)
石﨑 聖太郎(春日部共栄)
根本 翔吾(習志野)
角田 勇斗(習志野)
鎌田 州真(国士舘)
黒澤 孟朗(国士舘)
黒川 麟太朗(国士舘)
菅野 秀斗(山梨学院)
相沢 利俊(山梨学院)
栗田 勇雅(山梨学院)
小吹 悠人(山梨学院)
度会 隆輝(横浜)
内海貴斗(横浜)
小泉 龍之介(横浜)
長屋 陸渡(東邦)
成沢 巧馬(東邦)
内山 壮真(星稜)
前川 夏輝(津田学園)
東海林 航介(星稜)
山瀬 慎之助(星稜)
星稜戦で決勝の適時打を放った北本壮一朗(札幌大谷)は期待の大型遊撃手。支部予選ではバックスクリーン弾を放つなど長打力もあり、楽しみな存在。石鳥 亮(札幌大谷)はパンチ力ある打撃と強肩が光る中堅手。強打者ぞろいの八戸学院光星からは野球センスの高さが光る伊藤 大将(八戸学院光星)、強打で高いキャッチング技術がある太山 晧仁(八戸学院光星)も面白い。東北大会準優勝の盛岡大附は東北大会では16打数7安打の活躍を見せたスラッガー。大船渡の佐々木朗希から3本の長打を放ち、東北大会でも12打数5安打を記録した左のスラッガー・平賀 佑東(盛岡大附)も注目だ。
関東地区では準優勝の春日部共栄の正捕手・石﨑 聖太郎は1.8秒台の強肩とパンチ力が光る強打を持つ。打撃がさらに伸びればドラフト候補へ急浮上しそうな選手だ。
勝負強い打撃と守備範囲の広い守備でチームを盛り立てる根本翔吾(習志野)、習志野の1年生ショート・角田 勇斗(習志野)は関東大会にかけて守備が磨かれてきた。土壇場で打つ勝負強さも光る。
山梨学院はセンス抜群の二塁手・菅野 秀斗、1年生捕手で首脳陣の信頼も厚い栗田 勇雅、吉田監督から精神力ではチームナンバーワンと評される好打の一塁手・相沢 利俊、180センチの大型遊撃手・小吹 悠人と能力が高い選手が揃っている。5枠目出場の横浜は巧みでさらに長打力がある打撃とキレの良い度会 隆輝、降格へ本塁打を打てる技術、ワンバウンド処理技術に長けた一塁守備が光る内海貴斗、県大会で逆転サヨナラ弾を放ち、増田 珠(現・ソフトバンク)の路線をいく小泉 龍之介も注目したい。
東京都では1年生大型遊撃手・鎌田 州真(国士舘)の進化に期待。また独特の構えから鋭い打球を飛ばす黒澤 孟朗(国士舘)も進化を期待したい。セカンドの黒川 麟太朗(国士舘)は運動能力の高さが光る好二塁手。攻守ともに伸ばしてブレイクを狙いたい。
東海地区優勝の東邦は東海大会準決勝で2本塁打を放った長屋 陸渡、パンチ力ある打撃と強肩が光る成沢 巧馬も注目したい。また東海大会で3試合連続弾を放った前川 夏輝(津田学園)は楽しみな大型二塁手。そのパワーを甲子園でも発揮できると一気に脚光を浴びそうだ。
優勝候補として期待がかかる星稜の1年生ショート・内山 壮真は、高い打撃技術、俊敏な遊撃守備、守備範囲が広いセンター・東海林 航介、北信越屈指の強肩捕手・山瀬 慎之助は打撃面を強化して、評価を上げる選抜としたい。
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東日本投手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)
西日本投手編(近畿・中国・四国・九州)
西日本野手編(近畿・中国・四国・九州)
(文=河嶋 宗一)