笑顔あふれる野球小僧・上原 一帆(沖縄水産)の魅力は考える力【前編】
上原一帆の第一印象は?と聞かれたら、こう答えるだろう。「人懐っこい笑顔で、どこか憎めない雰囲気」それが上原一帆の第一印象だ。インタビュー中の上原からは、野球で見せる、力強い投球フォームと堂々としたマウンド裁きは想像もつかない。そんな野球小僧・上原を徹底解剖する。
憧れの投手は村田兆治!
上原一帆
上原の憧れの投手は村田兆治だ。
上原が一番始めに村田を知ったのは小学校時代に遡る。小学校の図書館で村田兆治の漫画に出会ったのが始まりである。
「マサカリ投法のあのダイナミック感じの投げ方が自分が真似してる、と言うか好きな投げ方です」
実際の上原の投球フォームは、村田兆治のフォームに共通するポイントがいくつかある。
中でも特に酷似しているのが、軸足に体重を乗せているときに見せる「間」だ。まだ体が出来上がっていないこともあり、村田兆治程の下半身の粘りはまだないが、軸足に体重を乗せて、腕を下した時に見せる絶妙な間合いは、村田兆治を意識していることを垣間見せる。
上原のルーツは、昭和の大投手村田兆治だ。
[page_break:投手・上原一帆の現在地]投手・上原一帆の現在地
ポーズをとる上原一帆
「ストレートは、右バッターへのクロスファイヤー内角攻めて、追い込んでからのスライダーが武器だと思っています。スライダーは、自分の中では自信のあります」
と語ってくれた上原。上原の魅力は一級品のスライダーだけでなく、強打者のインコースを攻められる気持ちの強さだろう。
上原とバッテリーを組んでいる金良涼介捕手も、「とても気持ちが強くて満塁とかでも、どんどんインコースとか攻めれます」と、上原の武器の一つが気持ちの強さと語っている。
左から投げ込む、最速138キロのストレートと切れの鋭いスライダー、そして気持ちの強さと上原は県内屈指の左腕と言える。
ただ、上原は現状のピッチングに満足していない。
ストレートに関しては、「まずは140キロを超え、夏までには145キロぐらいに行きたいです」と答えてくれた。
また、変化球に関しても、
「球種はスライダー・カーブです。今はチェンジアップを取り組んだりしています、春までには変化球の精度を上げて、投球の幅を広げたいです。」と明確な目標を語ってくれた。
前編はここまで。後編では、さらなるレベルアップを目指して取り組む冬のトレーニングや、バッティングについても迫っていきたいと思います。お楽しみに。
文=田中 実