松山聖陵vs富岡西
松山聖陵「大器覚醒」で初決勝・2年連続センバツへ!
7回表松山聖陵一死から1番・大村 侑希(2年・一塁手)が左越大会第5号を放つ
高知、帝京第五といった甲子園出場経験校を破り、一躍今大会の主役に躍り出た富岡西の勢いは、中5日を経ても衰えることはなかった。初回、松山聖陵に対し無死満塁から内野ゴロ、6番・新城 健太朗(2年・左翼手・175センチ83キロ・浦添市立浦添中出身)の右前適時打と失策で3点を失うも、その後はバックが守備で浮橋 幸太(2年・投手・175センチ77キロ・右投左打・阿南市立第一中出身)を盛り立てる形が復活。
そして6回裏には猛反撃。一死後「相手投手は(平安山 陽・1年・右投右打・176センチ72キロ・名護市立大宮中<沖縄>出身)はポンポンとストライクを取ってくるので、甘い球を逃さないことを共有した」3番・主将の坂本 賢哉(2年・右翼手・174センチ73キロ・阿南市立那賀川中出身)が放った中前打をきっかけに、一・二塁から5番・吉田(吉は土へんに口)啓剛(2年・三塁手・176センチ68キロ・右投右打・海陽町立海陽中出身)の右前打でまず1点。内野ゴロでさらに1点を返すと、二死二塁から吉田が「選手個々の判断に任されてる」(小川 浩監督)三盗を成功させ、7番・前川 広樹(2年・一塁手・182センチ64キロ・右投右打・阿南市立第一中出身)が二塁同点内野安打。これには[stadium]レクザムスタジアム[/stadium]一塁側応援席を埋めた阿南市からの大応援団も沸き立ち、流れは完全に富岡西にあった。
しかし、松山聖陵は7回表一死後、この「大器」が再び流れを引き戻す。愛媛県大会準決勝から急激に状態を上げてきた1番・大村 侑希(2年・一塁手・185センチ85キロ・右投右打・松山市立雄新中出身)。浮橋の抜けたスライダーを叩き「フリーバッティングで土居(豪人・千葉ロッテマリーンズ8位指名)さんのボールを打ってきた成果が出せた」大会第5号となる左翼芝生席へのアーチは、松山聖陵を初の大会決勝へ導き、2年連続センバツ出場を大きく引き寄せる値千金の一打となった。
勝利の瞬間、まるで沖縄尚学での現役時代当時を思わせるような両手ガッツポーズを決めた荷川取監督は言う。「厳しいゲームでしたけど、これまでの積み重ねを出してくれました。フリーバッティングに登板してくれた土居や星本(大輝・3年・三塁手)含めた3年生の力もあっての勝利だったと思います」。次なる高みは初の四国大会優勝と明治神宮大会出場。これまでの実績と反省を糧にして「目の前の一戦」を大事に、彼らは決勝戦も戦いを挑む。
(文=寺下 友徳)