近江の4番から日本の4番へ!北村恵吾(近江)が語る今夏の活躍と今後のビジョン
甲子園常連校の近江で1年夏から4番に座っていた北村恵吾。甲子園には3度出場し、今夏の甲子園では2本塁打を含む4試合連続打点と大活躍を見せた。前編では高校2年生までの歩みを振り返ってもらったが、後編の今回は高校最後の1年の活躍を振り返りながら、次なるステージへの意気込みを語ってもらった。
センバツ、夏へ向けて取り組んだこと
甲子園で快音を響かせる ※写真=共同通信
――センバツ出場が決まってこの冬はどう取り組んできましたか?
北村: 守備ではセンバツでエラーをしないことを一番に考えていたのでたくさんノックを打ってもらいました。打撃の面では腰のキレを出すために毎日、素振りをしてきました。また、体のキレを出すために食事を考えて体重を増やさないようにもしました。
――センバツでは7打数3安打と結果を残しましたが、振り返ってみてどうでしたか?
北村: チームとしては全国で通用するチームだということがわかりましたが、個人としては印象に残るバッティングができていなかったので、その部分ではまだまだかなと思いました。
――センバツが終わってから夏まではどういうことを頑張ってきましたか?
北村: 確実性を上げて甘いボールを一発で仕留められるバッターになるということを思っていました。上に行くとボール一つ分の出し入れでボール球を振らせるピッチャーもいるので、フリーバッティングでも難しい球をヒットや長打にできるように練習してきました。
――夏の滋賀大会は優勝候補と言われてしっかり勝ち切りましたが、戦ってみてどうでしたか?
北村: 強いところが負けて番狂わせもありましたが、勝ち切れたのは自信になりました。特に決勝戦では逆転されて不利な状況であっても勝ち切れたのは、自分たちの力を実感でき自信になりました。滋賀大会ではピッチャーを含めて守備陣が強く、守備からのリズムがあるから攻撃に繋がると実感しました。4人のピッチャーは力を出し切って活躍してくれたから滋賀大会も継投で1人の負担を減らすことができたと思います。
――北村選手自身の打撃はどうでしたか?
北村: チャンスで回ってくることが多く勝ったのですが、犠牲フライを含めて打点を挙げられていたので4番らしく勝負強さを発揮できたと思います。
甲子園へ出場し更なる成長へ
国体での北村恵吾
――夏の甲子園では初戦で智辯和歌山と当たりましたが、組み合わせが決まった時はどう思いましたか?
北村: 初めは嫌な部分もありましたが、中尾(雄斗)が選手宣誓を引いてくれた時にはもうやるしかないと思いましたし、近江に流れが来ていると思いました。
――智辯和歌山戦では本塁打を2本打ちましたが、振り返ってみてどうでしたか?
北村: 僕自身ビックリしていますし、甲子園だから打てたのかなと思います。1本目は完璧だったと思います。同点にできたので、0対0からの気持ちで粘り強く戦っていこうと気持ちが引き締まったのがよかったのかなと思います。2本目は打った瞬間に行ったなという感じでした。最終回で2点差は怖い部分があって、何としても追加点が欲しかったのであれはよかったと思います。あの打席は何も考えないで無心で打席に入っていました。
――3回戦の常葉大菊川戦では4打席連続タイムリーと大活躍でしたが、あの試合はどうでしたか?
北村: 自分の理想像とするバッティングができたのかなと思います。スコアリングポジション、特にツーアウトで回ってきた時に打点を挙げるのが4番の理想像なので先制、中押し、ダメ押しを自分でできたのは本当によかったと思います。
――甲子園では右方向への長打が多かったですが、打席や普段の練習で意識していることはありますか?
北村: 詰まるのを怖がらずにセカンドの頭の上を意識して打席に入っています。ヘッドを遅らせてバットを内から出すように練習からセンターから右に打つことを意識していたので、その成果が最後に出たと思います。
――準々決勝では金足農の吉田輝星投手と対戦しましたが、どんな投手でしたか?
北村: ストレートも変化球もコントロールもよくて、あれが本当に一流でプロで活躍する投手なのかなと思いました。自分も調子がよかったのに打てなかったので、実力がまだまだだということがわかりました。
――負けた後に甲子園の土を持って帰らなかったように見えたのですが、それには理由があるのですか?
北村: 将来はプロ野球選手になって甲子園の土を踏みたいという思いがあったので、これで持って帰るのは違うなと思い、持って帰らなかったです。
――甲子園が終わってからはどんなことに取り組んでいますか?
北村: バットが木に変わり、余計にバットを内から出してヘッドを遅らせないと遠くに飛ばないので、確実に心に当てられるミート力と遠くに飛ばせる筋力を伸ばしていきたいです。まだ自分には体のキレがなく、一流の投手のストレートにはまだ対応できないと思っているので、ダッシュ系のトレーニングをして体のキレを出すようにしたいと思っています。
――将来はどんな選手になりたいですか?
北村: 日本を代表する選手になりたいですし、4番にこだわりを持っているので日本代表の4番になれるように頑張りたいと思います。
文=馬場遼
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