Interview

甲子園3度出場の北村恵吾(近江)の土台となったケガと経験

2018.10.08

 甲子園常連校の近江で1年夏から4番に座っていた北村恵吾。甲子園には3度出場し、今夏の甲子園では2本塁打を含む4試合連続打点と大活躍を見せた。前編の今回は高校球界を代表するスラッガーへと成長を遂げた北村に高校2年生までの歩みを振り返ってもらった。

北村恵吾の小中学生時代

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北村恵吾

 ――野球を始めたきっかけは何でしたか?

北村恵吾(以下、北村): 小学校2年生から始めました。たまたま小学校の前を通った時に地元の少年野球チームを見て、自分もやりたいなと思いました。練習に参加させてもらったら楽しかったので、始めることにしました。

 ――小学生の頃はどんな選手でしたか?

北村: ピッチャーをしていたのでそこまでバッティングに野球選手として自信はなかったです。とにかく楽しく野球をしていましたが、負けず嫌いなところはあったと思います。

 ――中学では西濃ボーイズに進みましたが、その理由は?

北村: 中学校1年生の頃は部活の軟式野球部に入っていました。小学校6年生の時はまだ体ができていなかったので、父と話をして中1の冬に部活を辞めてボーイズに入ろうと決めていました。それまでに食トレや筋トレをしっかりして身長と体重が伸びたので、予定通りに中1の冬からボーイズに入りました。

 ――ボーイズに入ってボールが硬球に変わりましたが、すぐに対応できましたか?

北村: 投げることに関しては違和感なく投げることができましたが、打撃の面で硬式は芯に当たらないと痛い部分があるので恐る恐る振っていたと思います。ポジションはピッチャーメインで外野、ファースト、サードをやっていました。

  ――高校では投手と野手のどちらをやろうと思っていましたか?

北村: ピッチャーも野手も両方やる方向で考えて進学しました。

 ――高校を決める時に近江高校を選んだ決め手は何ですか?

北村: 寮生活をしたいと思っていたのですが、寮が綺麗で環境がよかったのが近江でした。また、中学生の時にマンツーマンで教えてくれた大西輝弥さんが近江のOBで甲子園に3回出場(2001年夏、2003年春夏)していて、近江では一番甲子園に出場されている方だったので、その記録を超えて恩返しをしたいと思っていたので近江に進学しました。

[page_break1年生で甲子園に出場し感じたこと]

1年生で甲子園に出場し感じたこと

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バットを構える北村恵吾

 ――高校では1年夏から試合に出場しましたが、試合に出るために頑張ったことはありますか?

北村: 自分の良さをアピールしようと思っていたので、その面ではバッティングをとにかくアピールできるようにと思っていました。長打力が魅力だと思っていたので、遠くに飛ばせるように意識しながらバッターボックスに入っていました。高校に入ってからは野手一本で考えていました。

 ――1年夏にいきなり4番打者として甲子園に出場しましたが、当時を振り返ってみてどうでしたか?

北村: 入ってすぐに甲子園に出られたのでいい夏だったと思います。先輩たちのおかげで出場できた甲子園でもあったので、終わってから甲子園に戻りたいという気持ちが強くなりました。

 ――甲子園に出て強豪校と対戦したことで、もっと頑張らないと思ったところはありますか?

北村: 球のキレや変化球が凄くてビックリしました。1年夏にああいう球を経験できたことが3年夏に繋がったのかなと思います。スイングスピードや、一球で仕留められる確実性が足りないと思ったのでそこを強化したいと思いました。

 ――2年生は腰痛で夏のメンバーを外れるなど苦しい経験をしましたが、その時はどう感じていましたか?

北村: 怪我をしてからは怪我をしないように体作りをしました。体の柔軟性や腹筋、背筋で体幹を強くして怪我をしない体作りをしました。それで(そこからは)怪我もなく最後までやり通せたと思いますし、いい結果に繋がったと思います。

 ――昨年の夏はスタンドからどのように見ていましたか?

北村: 決勝で負けて情けない思いをしましたし、力が出せずに終わったのが悔しかったので、そこからは打倒・彦根東を新チームの目標にしてやってきました。

 ――近畿大会では打倒・彦根東を達成し、甲子園出場も決めましたが、昨年の秋は振り返ってみてどうでしたか?

北村: チーム全員が一丸となって戦えていたのがあの勝ち方に繋がったと思いますし、そのゲームで切羽詰まった試合を勝てたことが勝負強さにも繋がったと思います。準決勝で大阪桐蔭とやれてそこからは大阪桐蔭を倒すことを目標に掲げてやってきました。

 ――大阪桐蔭戦では中学時代に一緒にプレーしたこともある根尾昂選手と対戦しましたが、対決してみてどうでしたか?

北村: 本当にいいピッチャーであの時の自分では打つことのできないピッチャーだったかなと思います。スライダーが他のピッチャーとは全然違いました。

 前編はここまで!後編では高校野球最後の1年間を北村選手はどんな想いを持って取り組んできたのか。そして大活躍を遂げた今夏の甲子園を振り返ってもらうとともに、次のステージへの意気込みに迫りました。お楽しみに!!

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文=馬場遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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