缶詰を使ってタンパク質をとろう
魚の缶詰はストックが可能で、タンパク質を多く含むので上手に活用したい
体づくりのためにはバランスのよい食事が不可欠ですが、特に筋肉や骨、血液などさまざまな組織の材料となるタンパク質は毎食しっかりと食べたい栄養素の一つです。筋肉をつかって運動をすると筋線維は一度傷ついて、その後修復するのですが、そのタイミングで筋肉の材料となるタンパク質が不足していると強い筋線維にはなりにくく、疲労回復についても時間がかかってしまうことになります。またタンパク質は一度にたくさん食べて体に貯めておくことがむずかしく、ある一定量を超えると摂取しても体に吸収されず、そのまま体外へと排出されてしまうことが知られています。
毎食タンパク質豊富な食材を準備することは、少々ハードルが高いかもしれませんが、このときに上手く活用したいのが缶詰です。缶詰は保存食でもあるのであらかじめストックしておくことができ、調理をする手間も省けるので忙しい朝食でもすぐに食べることができます。
ツナ缶は野菜とあえてサラダとして食べたり、パンのトッピングとしてツナトーストなどにしてもいいですね。ツナ缶だけではなく、最近人気のサバ缶なども水煮や味噌煮にしたものがあり、魚に含まれる不飽和脂肪酸の一つであるオメガ3系の油には、炎症反応を抑える働きがあると指摘されています。こうしたオメガ3系の油には、運動後に適量を摂取することで筋肉痛の軽減や疲労回復を促進させる効果が期待できます。
缶詰は密封状態で保存されているため、酸化による変性を食べる直前まで防ぐことができますし、通常であれば食べられない魚の骨なども柔らかくなっているため、カルシウムを始めとする多くの栄養素を無駄にすることなく食べることができます。サバ缶やサンマ缶を使った炊き込みご飯など、少し手を加えるだけでさらに調理のレパートリーも増やすことができます。卵や納豆といった常備品とともに缶詰を活用し、アスリートに必要なタンパク質を毎食しっかりと摂るように心がけましょう。
文:西村 典子
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