相模向陽館・横浜旭陵vs厚木清南・愛川・中央農業
合同チーム同士の対決は白熱とした勝負に！
3失点完投勝利の野地心穏
相模向陽館・横浜旭陵vs厚木清南・愛川・中央農業と連合チーム同士の対戦は まず先制したのは厚木清南・愛川・中央農業。1回裏、一死から4番齋藤光紀（2年）の適時打で1点を先制。しかし5回表、相模向陽館・横浜旭陵は一死一、二塁から1番植田悠斗（1年）の左前適時打で同点。6回表に後藤宏明（1年）の犠飛で勝ち越すと、8回表には、一死満塁から緒方理（1年）の中前適時打で突き放しに成功した。さらに9回表、3番井上一輝（2年）の中前適時打で5対1と突き放す。
投げては182センチの大型右腕の野地心穏（2年）が好投。力強い速球を投げ込む姿はなかなかのもので、しっかりとネット裏でスピードガンをつけて測定したいと思わせる素質があった。9回まで走者を多く出しながらも、1失点の力投。途中、捕殺が2つあるなど、堅い守備を見せていた。
だが、9回裏、厚木清南・愛川・中央農業一死満塁のチャンスを作り、1番向井は、押し出し死球で1点を返し、2番赤津義経（2年）の内野安打で3対5と2点差に迫ったが、反撃はここまで。相模向陽館・横浜旭陵が1勝を上げた。
合同チーム同士の対決は、ともに鍛えられており、レベルも拮抗していて見応えがあった。両チームの投手は、同ブロックの相模原、弥栄の投手と見劣りしない速球は投げており、スイングも鋭く、おっと驚く打球もあった。捕殺もあったり、ファインプレーもあったり、長打もあったりと、見ている保護者たちも感情移入するようなプレーがいくつかあった。
それができているのは、取り組みがしっかりしている証拠であり、チームとして最後まで粘り強く戦う姿が見るものを惹きつけたからだ。どんな環境、境遇の選手でもひた向きに正しく努力をすれば、精度の高いパフォーマンスを発揮できる。大袈裟な言い方も知れないが、高校野球の本質というものが見えた気がした。部員数が少ないチームを支える仕組みがさらに発展すれば、日本の高校野球はもっと良くなるかもしれない。
両チームともその方向性を見失わず、さらなる進化を期待したい。
（記事＝河嶋 宗一）
