山下航汰は3年連続決勝敗退の悔しさをプロで果たせるか?
山下航汰(健大高崎)
全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)への出場を目指し、各地で熱戦が繰り広げられてきた。地方大会を勝ち抜いた全56校は8月5日から聖地・甲子園で深紅の大優勝旗を目指すことになる。
筒香を凌ぐ高校通算75発
その夢舞台にあと一歩届かず、地方大会の決勝で涙を飲んだ選手もいる。健大高崎の山下航汰(3年)もそのひとりだ。山下は「機動破壊」で知られる同校において、1年時からレギュラーに抜擢されたスラッガーである。
2年春の選抜高校野球大会においては、大会史上2人目となる2本の満塁弾を放ったことで一躍全国区になった。
群馬大会決勝で敗退するまでに山下の放った本塁打は75本。この数字は清宮幸太郎(現・日本ハム)の111本や中田翔(現・日本ハム)の87本には及ばない。しかし、プロ野球の世界で大きな実績を残してきた筒香嘉智(現・DeNA)の69本や松井秀喜氏(現・ヤンキースGM補佐)を凌ぐ数字でもある。
しかし、夏の甲子園には1度も手が届かなかった。3年連続で群馬大会決勝において、前橋育英の前に敗れてしまったのだ。しかし、これで野球人生が終わるわけではない。山下は敗戦直後にプロ志望を表明した。プロの世界で勝負すること
を選んだのだ。
高校時代の筒香嘉智(横浜)と大田泰示(東海大相模)
大田泰示も3年連続決勝で涙
今から10年前となる2008年夏の北神奈川大会でも、3年連続決勝で敗退となったチームがあった。東海大相模である。決勝の相手は毎回違ったものの、あと一歩及ばず甲子園に手が届かなかったのだ。そのときの主将が大田泰示(現・日本ハム)だった。
大田は山下と同じく1年時から主軸を務め、高校通算65本塁打を放ち超高校級の選手として注目を浴びていた。同年のドラフト会議では巨人とソフトバンクに1位入札され、抽選の末巨人へと入団。以降、なかなか芽が出なかったが、2016年オフに日本ハムへトレード移籍を果たしたことで才能が開花。初めて規定打席に到達し、チームに欠かせない存在に成長したのだ。
高校時代に3年連続あと一歩で涙を飲んでもプロの世界で輝いた大田のように、山下もプロの世界で結果を残すことに期待したい。
(文:勝田 聡)