試合レポート

今治北大三島vs上浮穴

2018.07.19

今治北大三島、夏2勝目で「16年ぶり」のその先へ

 

 正規部員8人・野球経験者の助っ人3人。その全員が今治市立大三島中出身という「島っ子球児」今治北高校大三島分校。1年秋に県大会出場を果たし、21世紀枠県代表校に選出された原動力となった金子 尚希(3年・投手・右投右打・171センチ65キロ・右投右打)、藤原 修平(3年主将・捕手・165センチ65キロ・右投右打)バッテリーも最後の夏を迎えた今大会では、すでに大三島高校時代最終年にベスト8進出した2002年以来、16年ぶりの夏1勝を済美平成相手にマーク。2回戦では1984・1985年以来史上2度目となる2年連続の夏1勝を追い風に、1997年以来21年ぶりの夏2勝目を狙う上浮穴と激突した。

 

 試合は1回裏に今治北大三島が押し出しで先制点を奪い、金子 尚希も目測で130キロに迫るストレートと、落差が大小2種類あるスライダーを低めに集め2回表には三者三振を奪うなど6回表まで無失点。だが、上浮穴も7回表二死から1番・中川 孝紀(2年・二塁手・169センチ60キロ・右投右打・久万高原町立久万中出身)の中前打に続き2番・中田 篤郎(1年・右翼手・169センチ55キロ・右投右打・久万高原町立久万中出身)が右中間を真っ二つに破る三塁打で同点。試合の流れは混とんとしたものになってくる。

 

 ただ、今治北大三島の反撃は早かった。7回裏に安打と2つの死球でつかんだ二死満塁で打席に入ったのは9番・和田 晃明(3年・右翼手・175センチ71キロ・左投左打)。フルカウントからの6球目をコンパクトに振り抜くと、打球は前進守備を敷いていた相手中堅手の上を越える満塁走者一掃の三塁打。4対1と勝ち越した今治北大三島は、その後は状態を取り戻した金子 尚希が残る2イニングを完ぺきに抑え126球6安打3四死球11奪三振完投で今治北大三島に夏の2勝目をもたらした。

 

 今大会、他校のバッテリーを見渡しても安定感は県内でもトップクラスの今治北大三島。もし、この投球内容があと2試合続けば……。正規部員8人の今治北大三島は16年前のベスト8を飛び越え、新たな大海原に船を漕ぎだすことになる。

 

(レポート=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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