試合レポート

二松学舎大附vs関東一

2018.07.28

大庭、7回被安打1・無失点の好投!二松学舎大附、関東一破り決勝進出

 

 二松学舎大附関東一は宿命のライバルと言えるほど、互いにしのぎを削り合ってきた。しかし、昨夏は準決勝で対戦し、二松学舎大附がコールド勝ちの圧勝であった。関東一としては、当然期するものがあり、そうした対抗意識は、試合序盤からひしひしと伝わってきた。

 関東一藤本幸輝二松学舎大附海老原凪と、ともにエースを先発させた。1回、2回と海老原は二段モーションの反則投球を取られ、ペースが乱れる。2回表関東一は2四死球などで二死満塁とし、9番・藤本の打球はボテボテの投ゴロだったが、投手から一塁への送球が高く、関東一が1点を先制。さらに1番・斎藤未来也の左前安打で2人が還り、関東一がリードを3点に広げる。

 関東一が流れをつかみ、藤本も3回表の二死まで1人の走者も許さない完璧な立ち上がり。

 二松学舎大附は9番打者でエースの海老原に代打の中澤航介を送る。入学したころから注目されていた3年生の中澤は、代打の起用に応え、レフトスタンドギリギリに入る本塁打を放った。

 この一発が試合の流れを変えた。1番・右田稜真、2番・揚野公匠の連続右前安打に続き、3番・平間陸斗の四球で満塁となり、4番・保川遥の中前安打で2人が還り同点に追いつく。

 海老原に代打を送ったことで、3回裏からマウンドには2年生の大庭颯仁が上がった。大庭は見た目は威圧感がないが、制球が抜群によく、カットボールやスライダーなどに関東一打線が苦しむ。

 

 二松学舎大附は4回表、6番・野村昇太郎の左前安打、7番・有馬卓瑠の内野安打、9番・大庭の四球で一死満塁とし、1番・右田の左犠飛で1点を入れ逆転する。

 

 さらに5回表には3番・平間がライトへの三塁打を放ち、5番・畠山大豪の右犠飛で点差を2点に広げる。

 

 5回裏は制球力のある二松学舎大附の大庭が、珍しく乱れ、2つの四球で一死一、二塁となったが、関東一の主砲である3番・石橋康太はレフト線寄りに強い打球。これを二松学舎大附の左翼手・野村が必死に追いかけ好捕。ピンチを防いだ。

 

 この回以降、大庭は四球を出さず、許した安打も1本だけと、全く危なげのない投球を繰り広げる。

 

 関東一も6回から登板した茂良輔、9回に登板した畠山陽介二松学舎大附に追加点を許さず、接戦に持ち込んだが、大庭の投球内容がそれ以上に良く7回を被安打1、失点0の完璧な投球で、二松学舎大附に勝利をもたらした。

 

 関東一には斎藤、石橋康太ら好選手が揃ったが、2年続けて二松学舎大附の壁を超えることができなかった。この悔しさは、新チームに受け継がれていくだろう。

 二松学舎大附は2年連続の甲子園出場を目指し、都立小山台と対戦する。二松学舎大附は投打がかみ合い、1戦ごとに力をつけている。帝京を破り勢いに乗る小山台をどう抑えるか、注目される。

 

文=大島裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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