履正社vs汎愛
4番のスリーランで接戦に決着。
接戦の展開が続いていた8回、履正社は2人の走者をためると4番・白瀧がライトスタンドに試合を決める3点本塁打。汎愛の好投手・羽田野を攻略し逆転勝ちを収めた。
午前中の第1試合だが気温は当然のように30度を超え、3回と7回終わりには給水のための時間が取られたほど豊中ローズ球場には熱気が満ちていた。真夏の太陽が照りつける中行われた試合は履正社・清水、汎愛・羽田野の先発で始まり序盤は互いに無得点。静かな立ち上がりから中盤に動きを見せた。
4回、汎愛は4番・岡田、5番・泉井の連打から2死2、3塁とすると羽田野がセンター前に適時打を放ち1点を先制。自らのバットで先手を取った。1番・奈良から始まった5回の攻撃でも1死1、3塁と追加点のチャンスを作ると、履正社はここで先発した2年生左腕の清水に代わってエース・位田がマウンドへ。位田は汎愛の主砲・岡田に対し3ボール1ストライクとカウントを悪くしてしまうが、セカンドフライに打ち取り2死とする。続く泉井の打球は履正社のサード・小深田が体で止め、1塁へ矢のような送球。名門ですでに5番を任される強打者が守備でも1年生とは思えない落ち着いたプレーを披露しピンチを凌いだ。
これでリズムに乗った位田は緩い変化球を巧みに使い、6回は三者連続三振。汎愛の攻撃をピシャリと抑えると打線はその裏、先頭の1番・筒井の安打から1死1、3塁とし4番・白瀧の併殺崩れの間に筒井が生還。試合を振り出しに戻した。
やや汎愛寄りだった試合の流れを履正社が徐々に引き寄せると8回、1番から始まる好打順の攻撃で筒井が安打を放ち出塁する。2番・西山が送って1死2塁。2回戦の摂津戦でサヨナラ適時打を放っているキャプテンの濱内は四球で歩き走者がたまると、フルカウルから白瀧が振り抜いた打球はライト方向に高く舞い上がる。着弾点はフェンス手前まで追った後、足を止めた汎愛のライト・泉井の視線の先。試合を決定づける3点本塁打となり勝ち越しに成功した。履正社はこの試合で初めてリードを奪うと小深田が二塁打でチャンスメイクし、二死後、谷川の適時打でさらに1点を追加。プロ注目の大型右腕・羽田野を一気に攻略した。
大きな援護点をもらった位田は汎愛の9回の攻撃を3人で打ち取り試合終了。強豪揃いの激戦ブロックを履正社が勝ち上がった。
（文＝小中翔太）
