試合レポート

健大高崎vs日大三

2018.05.23

健大高崎が4本塁打15得点!日大三との打撃戦を制し、6年ぶりの関東制覇!

健大高崎vs日大三 | 高校野球ドットコム
リリーフで好投を見せ、勝ち越し打を放った高木翔己(日大三)

 春季関東大会決勝戦。勝ち進んだのは6年ぶりの優勝を目指す健大高崎(群馬1位)と12年ぶりの優勝を目指す日大三(東京1位)。試合は両チーム合計で、30安打4本塁打も飛び出す打撃戦となった。

 日大三の先発マウンドに登ったのは林 玲介(3年)。林は135キロ前後の速球、120キロ前後のスライダー、縦に大きく落ちるカーブを武器にする右の本格派である。その林が初回を無失点に切り抜けると、日大三打線がすぐに応えた。1回裏一死一、二塁から4番大塚 晃平(3年)がレフトへ適時打を放ち、さらに5番小沢の適時打で続いて幸先よく2点を先制する。

 ただ、健大高崎のケアも早かった。先発の吉田 翔(2年)から2番手は165センチ右腕・久保田 悠斗(2年)につなぐと、久保田は躍動感溢れる投球フォームから最速140キロのストレートを中心に日大三打線を圧倒。後続を締めて健大高崎の反撃を待つ。

 すると4回表、健大高崎は二死二塁から6番大柿 廉太郎(3年)が左中間を破る適時二塁打で1点を返し、さらに7番今井 佑輔(3年)が放った左前安打がレフトの後逸を誘い、大柿だけではなく、打者の今井も生還し逆転に成功。さらに5回表、高校通算70本塁打のスラッガー・山下 航汰(3年)が高めに抜ける直球を逃さず、高校通算71号となるライトスタンドへの特大2ラン。5対2と大きく突き放した。

 とはいえ日大三もあきらめない。6回裏無死一塁から3番日置 航(3年)の右中間を破る適時二塁打でまず1点を返し、さらに一死満塁での場面で、代打・中村奎太(3年)の二ゴロがエラーを呼び込み5対5。さらに5回途中からリリーフの9番高木 翔己が中前適時打を放ち、7対5と勝ち越しに成功した。


健大高崎vs日大三 | 高校野球ドットコム
優勝を決めた健大高崎

 しかし、この日の健大高崎打線はいつもに増して迫力があった。7回表、無死一、三塁からバッテリーミスで1点を返し、さらに一死一、三塁から6番大柿の左中間を破る適時二塁打で逆転に成功。その後、計7得点を入れ、12対7と大きくリード。さらに8回表には8番嶋本 翼(3年)の本塁打で1点を追加。9回表にも4番高山 遼太郎(3年)が高校通算41号となる2ランを放ち、15点目を入れた。

 健大高崎は7回裏から登板した3番手・清水 達哉(3年)が8回裏に中村奎太に適時二塁打、9回裏には4番大塚 晃平(3年)に今大会3本目の2ラン本塁打を打たれながらも後続を抑える奮闘。終わってみれば15対10。健大高崎日大三との打撃戦を制し、6年ぶりに関東頂点に立った。

 今大会の健大高崎は、7本塁打を記録した強打だけではなく、「機動破壊」というフレーズに代表される先の塁を果敢に狙う抜け目のない走塁も健在。さらに逆シングル、ランニングスロー、グラブトスなどを軽々とこなすハイレベルな内野守備と鍛え抜かれた野球で見事に頂点に立った。今後は3年ぶりの甲子園へ向けて、総合力アップを目指し、群馬を勝ち抜きたい。

 一方、敗れた日大三。この試合は登板2試合で好投を見せていたエースの中村 奎太、145キロ右腕・廣澤 優(2年)、3試合で好リリーフを見せていた左腕・河村 唯人(3年)は決勝戦で登板せず、ベンチ入りしていた147キロ右腕・井上広輝(2年)も未登板で温存。勝利を目指しながらも5連戦目となった決勝戦で主力投手を無理させなかった投手運用は見事だった。今大会、登録選手18人中17人が出場し、それぞれの選手が持ち味を発揮した点も含め、2013年以来となる夏の甲子園を目指す上で収穫が残る大会となったといえよう。

(文・写真=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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