木更津総合vs志学館

山中稜真（木更津総合）

　関東大会出場を目指す木更津総合は同じ木更津市に学校がある志学館と対戦。試合は主軸打者が活躍を見せ、5回コールド勝ちを決めた。

　1回表、木更津総合は一死一、二塁から4番山中稜真（3年）のレフトオーバーの適時二塁打で二者生還し先制。さらに5番野尻 幸輝（3年）は詰まりながらも左前適時打を放ち、3点目。そして2回表、二死三塁から2番神子 瑞己（3年）の遊撃内野安打で1点を追加。再び二死一、二塁のチャンスとなって、4番山中が左中間を破る適時二塁打を放ち、再び二者生還。これで6対0と点差を広げ、志学館の142キロ右腕・加藤 泰晴（3年）を攻略。

　加藤は投球内容にばらつきがあり、良いときは140キロ連発で押すことができるが、コントロールを意識すると、130キロ中盤に落ちてしまう。木更津総合打線はそこを逃さなかった。

　木更津総合は4回表、先頭の9番大曽根 哲平（3年）がフェンス直撃の二塁打で出塁。その後二死三塁となり、3番東の中前適時打で7点目。さらに4番山中の左中間を破る適時二塁打で8点目。これで山中は3安打5打点の大活躍。

　昨年の甲子園出場メンバーだった山中。今年から捕手へ転向したが、強打と巧打を兼ね備えた捕手として存在感を示している。スクエアスタンスで構え、小さいトップから最短距離でインパクトを迎え、豪快なフォロスルーで振り抜く。これまでの試合を振り返ると、様々なコースに対応し、長打を重ねてきたように、打てるポイントが広いのが山中の魅力。コンパクトなスイングながら体の回転を生かし、鋭い打球を生み出すことができている。打撃技術に関しては、今年の千葉県ではトップクラスといえる選手だろう。

　あとは捕手としてスローイングタイムが2.10秒から2.00～1.90秒前後まで速くなり、キャッチング技術、ワンバウンドを止める技術も高まっていくとさらに評価が上がるだろう。

　山中に続き、5番野尻が2打点目となる右前適時打。5回表にも、1番神山 竜之介（3年）の右前適時打で10対0とした。

　投げては野尻が最速136キロのストレート、スライダー、カーブを低めに集め、3安打無失点に抑え、5回コールド勝ち。関東大会出場を決めた。

　この試合が県大会3試合目になるが、投打で盤石な野球を見せてくれた。まだ主力投手が不在な中、このような勝ち方をしたのは大きいだろう。関東大会出場が決まったことで、多くの選手を起用できる機会が生まれた。

　準決勝以降では、どんな選手起用をするのか。その点にも注目してみたい。

（文・写真＝河嶋宗一）