所沢商vs朝霞西
所沢商、速球対策が実り、7回コールド勝ち！
本塁打を打った野田（所沢商）
伝統校・所沢商が序盤の猛攻でコールド勝ちを決め、6年ぶりのシード権を確定させた。朝霞西の先発・清水 敬太（3年）を警戒した所沢商は、室内練習場のマシンを速めに設定し、グラウンドでは投手を3メートル前に出して速球を打ち込むなどの速球対策を行った。所沢商・福地 利彦監督は「1回戦が終わってからこの対策を行いました。変化球を打つ対策もしたかったのですが、時間がなかったので変化球を捨てて、速球を狙わせました」と割り切って試合に臨んだ。
そして2回裏、一死一、三塁から8番庄司 拓人（3年）が左前適時打を放ち、1点を先制。さらに一死満塁から1番石川 澪音（2年）の適時二塁打で2点を追加し、2番下田 啓詞（2年）のレフトフェンス直撃の適時三塁打と敵失で3点を追加し、6対0と6点をいれる。三塁打を放った下田は「甘く入った変化球をとらえることができました。でもレフトフェンスまで飛んだのは驚きでした」と会心の一打に驚きの表情を見せた。
下田は二塁守備の上手さも注目。惜しくも内野安打になったものの、右安打になりそうな打球にも追いつき、またマウンド後ろの打球にも追いついてスナップスローでアウトにするなど、軽快な守備を披露。守備範囲の広さを披露した下田は、所沢向陽中（軟式）まで投手だった。持ち味の野球センスの高さでみるみる上達を遂げ、1年間でセカンドのレギュラーを奪うまでとなった。163センチ50キロながらパンチ力ある打撃が魅力で、今後も見逃せない選手だ。
5回裏、5番野田 聖志（3年）が朝霞西の2番手左腕・兵頭 真人（3年）からレフトスタンドへソロ本塁打を放ち、7対0とリードを広げた。野田は「打ったのは内角ストレートです。想像以上に飛んでくれました。でも本塁打を打てたのは、速球対策をしっかりとやっていたからだと思います」と本塁打を喜んだ。
投げては、最速135キロ右腕・中村 航（3年）は120キロ後半の速球、110キロ前後のスライダーや緩いカーブを織り交ぜ、7安打を打たれながらも、要所を締めるピッチングで7回無失点の投球でコールド勝ちに貢献した。中村は「ストレートの走りは良くなく、ボール先行することもあり、良いとは言えない出来でしたが、粘り強く抑えることができてよかったです」と安どの表情を見せた。
次は秋の埼玉王者の花咲徳栄と対戦。夏へ向けて収穫が残る試合にしていきたい。
（取材・写真＝河嶋 宗一）
