News

オフシーズンの頑張りを春に実感!トレーニング効果が現れるまでの身体の変化

2017.12.01

オフシーズンの頑張りを春に実感!トレーニング効果が現れるまでの身体の変化 | 高校野球ドットコム
トレーニング効果はなかなか顕著に現れませんが、続けることが大切

トレーニング効果が現れるまで

 オフシーズンに入り、本格的にウエイトトレーニングを行ったり、グランドでのフィジカルトレーニングを行ったりするチームが多くなってきていると思います。トレーニングを続けると身体も大きくなり、筋力アップが見込めるため、来シーズンを見据えて地道に行っていくことが大切です。ただしトレーニングを習慣的に行っていても、その効果が現れるのには時間がかかるということを理解しておきましょう。

 トレーニングを取り入れた早期の段階では、トレーニングによる筋肉痛がひどく、翌日、翌々日も動くと痛みを伴うこともあるでしょう。これは筋線維が破壊されて、新しい筋肉を作るための修復段階にあるためです。大きな負荷によるダメージが回復していない状態で、一時的に筋力も落ちてしまいますが、そこからトレーニングをしたときの負荷に対して「負けないように」より強い筋線維を再生しようとします。このタイミングで適切な休養と栄養(主にたんぱく質)が伴うと、トレーニングによって超回復が起こります。しかしまだこの段階では筋線維が目に見えて大きく太くなるところまでには至りません。

 トレーニングを続けて一ヶ月ほどたつと、扱える重量が増えて「筋力が上がった」と感じるようになります。この段階では筋肉が強く太くなるというよりも、筋肉を動かすための運動神経がより大きな力を発揮できるように適応してきた状態です。もともと筋肉は持てる力の100%を出すのではなく、ある程度セーブしながら力を発揮しています(100%近くを出してしまうと筋肉や関節を痛めてしまうため)。運動神経によってセーブされた状態を少しずつ解除していく状態であると考えるとわかりやすいと思います。ちなみに「火事場の馬鹿力」という言葉がありますが、これはもともと運動神経によってセーブされた筋力が、とっさの場面でその制御が外れて大きな力を発揮する例えであると言われています。

 さらにトレーニングを続けて2〜3ヶ月たつと、体重での除脂肪体重(体重から体脂肪量を引いたもの。この増減が筋肉の増減と考えられている)が増えてくるようになります。ここまで続けてようやく筋線維が太くなり、筋肉量が増えてくることになります。トレーニング効果は一朝一夕に現れるものではなく、こうした生理的な変化を経てようやく現れてくるものであり、ここまでいかに我慢強く続けられるかということもトレーニングを行う上では大切です。トレーニングを続けて行っていくと、オフシーズンが終わる春頃にはトレーニング効果が実感できるようになるでしょう。

文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【宮崎】日章学園、富島、小林西などが初戦を突破<県選手権大会地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?