済美vs宇和島東
済美「質の差」見せ付け、3年連続秋の愛媛県ベスト4へ!
連投で126球1失点完投勝利の済美・山口 直哉(2年)
「夏に左肩を少し痛めまして……。準決勝以降だったら登板できたんですが」。第1シード・宇和島東自慢の左腕2枚看板の片翼を欠いていたことは、試合後の若藤 太監督によって明らかにされた。
すなわち最速137キロ左腕・内田 健太(2年・180センチ67キロ・左投左打・西予市立宇和中出身)の本格復帰は10月14日開催の準決勝以降。よって、宇和島東は必然的に左腕2枚看板のもう1人・菊池 来樹(2年・178センチ82キロ・左投右打・西予市立三瓶中出身)を2日前の1回戦では3イニングリリーフで起用した上、済美との大一番では満を持して先発に投入してきた。
しかしながら、その宇和島東は打線が連投の済美・山口 直哉(2年・投手・169センチ65キロ・右投左打・南あわじ市立三原中<兵庫>出身)に苦心する。ストレート・スライダー共にキレがある山口に対し3回まで1安打。4回表には4番・藥師寺 正竜(2年・右翼手・168センチ75キロ・右投左打・宇和島市立吉田中出身)の安打などで一死二・三塁の先制機をつかんだものの、ここも後続が倒れ無得点。すると試合の流れは一気に済美へと傾いていく。
4回裏に敵失2つを絡め先制した済美は、5回裏二死二塁から2番・矢野 功一郎(2年・遊撃手・171センチ65キロ・右投左打・西条少年野球団<現:西条ボーイズ>出身)が適時左前打。7回裏には一死一・三塁から「サインを出した」(中矢 太監督)1番・政吉 完哉(2年・中堅手・167センチ62キロ・右投右打・葛城ボーイズ<奈良>出身)のセーフティスクイズで3点目。そして8回裏には二死一・三塁から7番・山口が決定的な4点目となる右前適時打。4得点すべてに犠打を絡める精度の高さは質の違いを感じさせるものだった。
宇和島東も9回表二死から6番・藤堂 定成(2年・一塁手・170センチ66キロ・宇和島市立城南中出身)の左前打、7番・上甲 凌大(2年・捕手・180センチ70キロ・西予市立宇和中出身)の右中間適時二塁打で一矢を報いたが、大勢を動かすまでには至らず。ノーシードの済美が3年連続の秋季県大会ベスト4に進むと同時に、3年連続10度目の秋季四国大会出場へ王手をかけた。
(レポート=寺下 友徳)
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