試合レポート

三本松vs丸亀城西

2017.07.23

三本松、4試合連続の「一気呵成」で24年ぶりの夏甲子園へ!

 2010年にシード4校制を採用して以降、初のシード勢同士による決勝戦となった香川大会。春の県大会王者である第1シード・三本松と6月の県高野連招待試合では三本松と共に清宮 幸太郎(3年主将・一塁手)率いる早稲田実業(西東京)に勝利した第3シード・丸亀城西が激突した。

 先制したのは2年前の決勝戦で藤井学園寒川に大敗したリベンジと、12年ぶり5度目の夏甲子園を目指す丸亀城西であった。最速142キロのストレートと120キロ台スライダーを軸に押す三本松佐藤 圭悟(3年・174センチ66キロ・右投左打・東かがわリトルシニア出身)に対し、4回裏に2安打で二死一、三塁のチャンスを作ると、5番・渡辺 将人(3年・中堅手・168センチ89キロ・右投右打・丸亀市立西中出身)が1ボール1ストライクからの139キロストレートを中前にはじき返した。

 しかし、3回戦の善通寺第一戦の初回7得点を皮切りに、準々決勝の高松商戦では7回裏に4得点、準決勝の大手前高松戦でも8回表に5点を奪った三本松は5回表、地元・東かがわ市の名産である「手袋」のごとく、最初の反撃機をガッチリ捕まえる。

 一死から9番・黒田 一成(3年・遊撃手・173センチ66キロ・右投右打・東かがわ市立白鳥中出身)が右翼線二塁打で出塁すると、1番・大久保 祥吾(2年・176センチ68キロ・右投右打・高松市立屋島中出身)の右越三塁打でまず同点。前の回に一、二塁間のゴロを菊池 涼介(広島東洋カープ)ばりの守備でさばき、丸亀城西の2点目を阻んだ2番・多田 祐汰(3年・二塁手・170センチ62キロ・右投右打・東かがわリトルシニア出身)の中前打で勝ち越し。

 三本松はなおも二死一塁から右膝半月板損傷の大けがから春に復帰したばかりの4番・盛田 海心(3年・一塁手・182センチ67キロ・さぬき市立長尾中出身)が丸亀城西先発・大西 徳哉(2年・173センチ70キロ・右投右打・善通寺市立西中出身)の初球ストレートを捉え、ライトポール際に運ぶ大会第11号2ラン。今大会4試合連続となる「一気呵成」で4得点を奪い、逆に試合の主導権を握った。

 
 その後も三本松は7回表に盛田の適時打。8回表には6番・渡邉 裕貴(3年・捕手・168センチ70キロ・東かがわリトルシニア出身)のこの試合4安打目を契機に、黒田・多田の適時打で2点を追加。計15安打で7得点を奪い、今大会5試合で163打数63安打・チーム打率を.387としている。

 そして14時29分。9回裏二死一塁から三本松・佐藤の投じた98球目が遊ゴロとなり、黒田が二塁ベースを踏むとマウンド上には一本指を立てた佐藤を中心に歓喜の輪が。夏は1993年、春は希望枠で選出された2005年以来となる甲子園出場は、佐藤の7安打1死球5奪三振1失点完投と、打線の融合によって成し遂げられた。

 ちなみに、三本松日下 広太監督は三本松・順天堂大を経た後、ルートインBCリーグの石川ミリオンスターズで2年間、新潟アルビレックス・ベースボール・クラブで2年間、計4年間を捕手としてプレーした経験を持つ。NPBを経ず日本独立リーグをプレーした選手が監督として甲子園出場を果たしたのは史上初。三本松は「清宮 幸太郎を三球三振に打ち取った男」佐藤 圭悟と話題性抜群の33歳青年指揮官、そして地域の支援に支えられた選手47人・マネージャー5人・スタッフが一丸となって、4度目の甲子園で悲願の初勝利、その先を捕まえにいく。

(レポート=寺下 友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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