試合レポート

都立小山台vs大成

2017.04.04

実力校同士の一戦は小山台が制する!

都立小山台vs大成 | 高校野球ドットコム

戸谷直大(都立小山台)

 都立小山台vs東京大成と実力校同士の一戦は試合序盤から試合が動いた。

 先制したのは都立小山台。2回表、一死一、二塁から相手の敵失の間で1点を先制。だが、4回裏には東京大成も5番今井陽平(3年)の中前適時打で同点に追いついた。

 だが打線に力がある都立小山台は5回表、東京大成の先発・中田 旭洋(3年)を捉える。2番坂田宙斗(3年)の中前適時打で勝ち越しに成功すると、さらに3番飯田の2点適時打で4対1と点差を広げる。そして6回表には満塁のチャンスを作り、1番高橋が5回途中からマウンドに登っているエース・川合涼太(3年)から走者一掃となる適時二塁打で3点を追加し、7対1と点差を広げる。

 

 6回裏、東京大成は二死一、二塁から4番山本航汰(3年)が左中間を破る適時二塁打を打ち、7対3と4点差に迫ったが、7回表、4番郡司達也(3年)が高めに入った直球を見逃さず、レフトスタンドへ飛び込む本塁打で8対3と点差を広げる。郡司はこの春から公式戦2本目となるホームランで、打撃好調。171センチ80キロとがっしり体型から実に鋭い打球を連発しており、楽しみなスラッガーだ。

 投げては2年生右腕の戸谷直大が7回3失点の好投。1年生の時から注目を集めている投手だが、本人は「球もち」を意識しているように、手元でピュッとキレる球筋が持ち味の投手。球速は、120キロ後半(最速128キロ)でも、伸びがあり、コントロールの良さも光る。

 フォームを見ていくと、ノーワインドアップから始動し、左足をゆったりと上げていきながら、バランス良くたち、左腕のグラブを真っすぐ伸ばしていきながら、左腕にしっかりと抱え込んで、スリークォーター気味に腕を振っていく投手。まだ体幹全体が弱いのか、腕の振りを見ると、強い腕の振りではない。

 リリースする感覚はしっかりとしているので、強く腕を振れる体の使い方、筋力が身に付けば、もっと変わる投手だろう。


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川合涼太(大成)

 最後は8回からつないで小倉俊(3年)が2回無失点の好投に抑え、都立小山台が2回戦進出を決めた。

 敗れた東京大成だが、選手1人1人のレベルは高い。エースの川合 涼太は、昨秋から体重を5キロ増やし、球威もアップ。コンスタントに130キロ~133キロのストレートを投げ込み、110キロ前後のスライダー、100キロ前後のカーブを投げ込んだ。だが、リリースポイントが安定しておらず、抜けたストレートや、コントロールを乱すことが多い。この日も、ストライクをとりいったところを痛打されて、4失点を喫した。

 今年の東京都でコンスタントに130キロ中盤を出せる左腕はそんなにない。持っているものは非凡なものがあるので、夏の大会へ向けての課題として、リリースポイントを安定させ、ストレートのコントロール、切れを高めることが必要となってくるだろう。自分の意図通りのコントロールができるようになった時、西東京屈指の左腕と呼ばれる可能性は十二分に持っている。

 主将の小野田 良太は、プレー全体の質が高まった。打撃は選球眼がよくなり、打撃もボールをコンタクトする技術が高まり、打球の1つ1つが変わった。そして著しく伸びたのは守備。足の運び方がよくなり、守備範囲が広がり、捕球から送球に移行するまでの動作も無駄がなく、安定感を感じさせる。主将としてしっかりとチームを盛り立てており、存在感がある選手だった。この夏へ向けて、見逃せないプレーヤーへ成長した。さらに攻守を磨き、そしてチームをまとめて、上位進出に導く存在となってほしい。

(取材・写真=河嶋宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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